社会連携講座
産学連携による新技術への探求
小野測器は東京大学大学院 新領域創成科学研究科と「電気自動車の振動計測制御に関する社会連携講座」を開設し、「クリーンかつ快適な電気自動車社会の実現」を目指した研究を行っています。今回は、本講座担当の藤本博志教授と永井栄寿特任講師、そして当社から学生として参加している社員に、研究内容や本講座の役割について教えていただきました
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東京大学 大学院
新領域創成科学研究科
(当社より留学中)
尾田 未知 -
東京大学 大学院
新領域創成科学研究科
先端エネルギー工学専攻
藤本 博志 教授 -
東京大学 大学院
新領域創成科学研究科
先端エネルギー工学専攻
システム電磁エネルギー講座
永井 栄寿 特任講師
電動化に貢献する新たな手法の確立へ
まず、尾田さんにお伺いします。本講座にはどういった立場で参加されているのでしょうか。
- 尾田
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東京大学へは小野測器の国内留学という制度を利用して通っています。留学目的のメインは社会連携講座へ参加することで、留学期間中は会社の業務は行わず研究や学業を優先させていただいています
留学前は当社でどのような仕事をされていたのですか?
- 尾田
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そもそも小野測器に入社したのは大学で研究していた音・振動の計測機器を扱う会社だったことがきっかけでしたが、入社後の研修で自動車試験に携わる楽しさを知りました。
また当社は自動車業界に関わる機会も多いため新人のうちから自動車に関する知識を付けておきたいと思い、駆動系をメインとした試験装置の電気設計を担当しました。今回の社会連携講座については社内の掲示板で募集を見て興味を持ち、挑戦してみたいと思い応募しました
参加されてどのくらい経ちましたか?
- 尾田
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約2年が経過しました。1年目は研究員として参加し、その過程で他のドクターの学生さんに憧れ、せっかくのチャンスを活かしたいと先生に相談してドクターの仲間に入れてもらい研究を始めました
どういった研究をされているのですか。
- 尾田
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低慣性ダイナモを使用した小野測器の試験装置を活用し、e-Axleを搭載したPHEVの振動抑制制御器の設計・評価を行う研究に取り組んでいます。この制御器が実現できれば、EVをはじめとする電動車両の“乗り心地”の改善に貢献することができます
- 藤本
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自動車業界が電動化に向けて進む時代になり、研究対象の中心は内燃機関からモーターへと移行しつつあります。それに伴い振動制御の研究開発で狙う周波数帯域もより高い領域へとシフトし、MBDにおいては今まで通りのモデルでは通用しないということが分かってきました。そうなると、高い周波数帯でのモデリングが必要となってくるのですが、そのモデル化のためには低慣性ダイナモを使った周波数特性の正確な計測が重要となってきます。
これら電動化に伴う課題にアプローチできる新しい方法論を確立しようとしているのが、この研究なのです。今後モーターがよりメインの動力源となっていくにつれ、この新しい振動抑制制御手法はますます重要性を増し注目されていくと思っていますので、大いに期待しています
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本研究室が振動抑制技術の研究で使用している実験用のインホイールモーターカー(写真右)と試作されたインホイールモーター(写真左)。
今回の研究でも使用されている
産学連携だからこそ取り組めた研究
この研究を始めることになったきっかけは何ですか。
- 永井
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この研究は我々と国内のある自動車メーカーとの共同研究なのですが、最初のきっかけはその自動車メーカーに車両の振動抑制手法についてご相談いただいたことですね
- 藤本
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学術的にいうと、振動抑制手法にはパッシブ(受動的)な手法とアクティブな手法がありますが、今回研究しているアクティブな手法の方がモーターの性能も最大限まで活かしきれると考えています。しかし自動車業界ではモーターの研究に力を入れている一方で、まだあまりアクティブな手法がメジャーではありません。本来は車両の特性を踏まえたうえでその特性に合ったアクティブな振動抑制制御にするべきなのですが、自動車業界では車両を設計するメーカーとモーターを設計するメーカーが分かれているので、なかなか実現するのが難しいのですよね。そんな折、自動車メーカーさんにご相談いただき、またそのお話を頂いたタイミングでちょうど今回の小野測器さんとの社会連携講座の話が出たことで、『それならやり切れるのではないか』と研究に乗り出しました
自動車の未来を支える研究に当社が貢献できているのですね。
- 藤本
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EVの制御における振動抑制手法の確立は業界共通の課題となっていますが、私たち単独ではそこに貢献できる新しい技術研究に取り組める体制が整っていませんでした。しかし今回小野測器さんと本講座を開設したことで、この課題解決に取り組むことができています
当社としても新たな技術研究に貢献できて嬉しいです。先ほど少し触れられていましたが、この研究には当社の設備も使われているのですね。
- 藤本
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制御器の設計では、設計値をシミュレーション上だけで評価して進めていくのではなく、実際に試作品を計測しその結果を基に設計値を見直す、という過程を繰り返していく必要があります。その計測の段階で、小野測器さんの設備や装置を使わせていただきました
- 永井
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また解析結果の解釈が合っているかなど私たちだけでは分からない部分もあったので、そこに関しても小野測器の社員の方にご助言いただき、大変参考になりました
当社の社員や製品が随所で活躍しているのですね。
- 藤本
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尾田さんは論文発表でも光っていましたし、大活躍してもらっています
今後はこの講座の成功例を広めていくのでしょうか。
- 藤本
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そうですね。この成功例が色々な方の目に留まり、新たな仕組みを求めている他の会社さんにも広がっていけば良いなと思っています