定比型次数トラッキングとは、回転体から得られる回転パルスを外部サンプリングクロックとして利用し次数比分析を実行します。その中で注目する次数成分のスペクトルレベルの変化を回転体の 回転速度の変化に対応してプロットする分析手法です。
定幅型次数トラッキングは、内部サンプリングクロックによる周波数分析を実行し、回転速度が変化する毎に、周波数レンジとその時の 回転速度から注目する次数の周波数を計算し、その該当する周波数成分のスペクトルレベルの変化を回転速度の変化に対応してプロットしていきます。
定比型トラッキング分析、次数比分析では、次数軸で見みると、回転速度に関係なく、最大分析次数、次数分解能(次数バンド幅)が一定となります。 これを周波数軸で見ると図 10の左のように回転速度変化に従い最大次数の周波数、次数分解能の周波数バンド幅が変化します。この影響は、例えば振幅が一定のランダム信号を分析した場合、 回転速度が大きいほど次数成分のレベルが大きくなります。特にオーバーオールでは周波数範囲が広がりますのでこの傾向が顕著となります。図 10の右にランダム信号を分析した様子を示します。
定幅型次数トラッキング分析、周波数分析では、周波数軸で見ると回転速度に関係なく、周波数レンジにより最大周波数、周波数分解能(周波数バンド幅)は一定となります。 図 10と対比させて図 11にこの様子を示します。回転速度が変化しても次数に対応した周波数の周波数バンド幅、オーバーオールの周波数範囲は一定であるということは、次数軸で見れば、 回転速度が低いときは次数バンド幅が広く、回転速度が大きくなるに従い次数バンド幅が狭くなることになります。言い換えると定幅型次数トラッキング分析では定比型トラッキング分析に比べ回転速度が大きくなるに従い次数成分のレベルは小さくなる傾向を持つこととなります。
ややこしくなりましたが、次数比分析か周波数分析かでそれぞれ相反するような関係があり、定比型定幅型それぞれの特徴を理解し使い分けることが必要です。