昨日学校で避難訓練があったんだ。体育館に集まってたときに放送が流れて、先生が放送の音が聴こえる方向に避難しなさいっていうんだ。 みんな初めてのことだし、最初はよくわかんなかったんだけど、結果的には、体育館の真ん中辺りから2箇所に分かれて避難できて、訓練は成功だったみたいだよ。
おとの学校は、先行音効果を利用した避難誘導システムを導入したって聞いているから、その訓練だったんだね。
人間は、いろんな方向から音が到来するときに、最初に到来する音の方向に音源の方向を知覚するんだ。 避難誘導システムで、先行音効果を利用するのは、出口がいくつかあって、どこから出れば安全かわからない場合や、また、方位がはっきりわからない状態を想定すると、音で場所を導くことで、より安全な場所から短時間で避難できるようにするためなんだよ。
いくつか音があっても、最初に到来する音に、その音の方向を感じるって言うこと?
定位という言葉は、おとはまだ知らないと思うけど、ステレオでスピーカからの距離がほぼ等しいところでは、音は真ん中に聞こえるよね。これは、両方のスピーカの真ん中の位置に音が定位するというんだ。ところが、少し片方のスピーカに近づくと、距離の近い方のスピーカに定位するだろう。それは近いスピーカからの音が早く到来するからなんだよ。
いい点に気がついたね。実は音の大きさも関係するし、最初の音と次の音の時間差にも関係するんだよ。音源の種類にもよるけど、遅れ時間が30ms以内で、次の音が最初の音より10dBより大きくなければ、この先行音効果は成り立つんだ。
ということは、学校の体育館のスピーカシステムには、そんな仕掛けがしてあるんだね。
そうだろうね。誘導がうまく機能するためには、先行音定位の条件を満たさなければならないから、先行音のレベルが、どのスピーカに近づいても、そのスピーカの音より10dB以下のレベルにならないように設計されていないといけないよね。
訓練では、真ん中辺りにいた生徒がどっちに出ればいいか迷っていたよ。
出口が1箇所なら、比較的容易に条件を決められるけど、逆に1箇所に集中すると、避難に時間がかかることもあるしね。火事が起きた場合など、どこが最も安全な出口かをリアルタイムに監視するシステムと連動するようにしないといけないんだろうね。
音がどちらの方向から来るかは、耳が2つあるからわかるって聞いたことがあるけど・・・。
1つの音がどの方向に定位するかは、両耳に入る音の時間差と、ちょっと難しいけど、頭部伝達関数といって、耳も含めた頭の形も寄与してるんだよ。右から来る音は、右耳には直接到達するけど、左の耳には、頭の周囲を廻り込んで到達するだろう。前に
防音壁の話で回折のことを教えてあげたよね。