ロマン派の作曲家が多く出てきたことと関係があるの?
確かなことはわからないけど、関係あると思うよ。19世紀の後半のホールの代表的なホールは、ウィーンにあるムジークフェラインスザールだけど、ブラームスは、ウィーン・フィルの指揮者として1872年から75年まで、マーラーも1898年には同じくウィーン・フィルの指揮者としてムジークフェラインスザールの指揮台に立っているんだ。ブラームスやマーラーが作曲しながら頭の中で鳴っていたオーケストラの音とは、残響の長いムジークフェラインスザールの音だったということだね。
そういえば、音楽の先生も、作曲家は、ホールで演奏されることをイメージして作曲しているって言っていたよ。
そのとおりだね。ハイドンもハイドザールの響きを前提として彼のシンフォニーのスコアを書き進めたって云われているし、古くは、バッハの宗教曲の多くは、トーマス教会のために書かれたらしい。トーマス教会は、司教の説教の明瞭度をあげるために、タペーストリーを多用して残響時間を、1.6 秒程度まで押さえた教会で、バッハは、教会としては、短めの残響時間のことを考慮して、作曲したんだ。
残響時間って、音がなくなるまでの時間のことをいうの?
音が鳴っている状態から、その音を止めて、60 dB 減衰する時間が、残響時間の定義なんだけど、1900年に、竣工したボストンシンフォニーホールの設計で、W.C.セイビンという学者が初めて残響時間という考え方を導入したんだよ。当時は、おとが言ったように、音がなくなるまでの時間を測ったらいしいけど、音源にはパイプオルガンのオルガンパイプを使ったそうだよ。
ホールの音の測定っておもしろうそうだな。今は、コンピュータを使って、測定するんでしょ。
そうだね。ホールの音の測定や音の設計については、今度詳しく教えてあげるね。