そうだね、音楽でアナログとデジタルというとレコードとCDの比較がわかりやすいね。レコードやカセットテープでは、音の波形そのままで記録されている。レコードは、エジソンが発明した蝋管に音波と同じ形状の波を溝の形できざみ、針で音を取り出すという仕組みと原理的にはまったく同じなんだ。CDは、音を記録する方法がまったく違うんだよ。さっきの時計のはなしにあったサンプリングの間隔は、約 23マイクロ秒、いいかえれば、1秒に 44100 回ということになるんだ。このサンプリング間隔は、再生したときの音の高さの上限を決めるもので、Xヘルツの周波数まで含む信号は、その2倍 (2X) 以上の細かさでサンプリングすればいんだよ。
おとうさんが前に教えてくれたヒトが聴くことができる上限は、たしか 20000 ヘルツだったよね。ということは、CDには、ヒトが聴くことができる高さの音が全部はいっているということなの?
その通り、一方のレコードは、サンプリングをしていないからすべての音が含まれていることになるんだよ。
でも、普通は、CDのほうが、音がいいっていわれるけど、それはどうして?
それはね、量子化、すなわちサンプリングした音を数値化するプロセスに秘密があるんだ。ちょっと絵を描いてみよう。もともとの音の波形がこんなふうにあるとするでしょ。(図1)これは連続しているからアナログの波形だね。これを、441000 ヘルツ(1秒に44100 回)でサンプリングする。(図2)そしてこれを量子化する。(図3)この量子化のときの波形の幅は、-32768(-2の15乗)~32767(2の15乗-1)の間の整数で表すんだ。よく 16 ビットとか 24 ビットとかダイナミックレンジとしてオーディオ機器のスペック(仕様)に書いてあるのを見たことがあるだろう。2進法の桁数で表したものがビットだから、CDの場合 2の16乗の幅があるので、16ビットということになるんだよ。

それとCDがレコードより音がいいということとどんな関係があるの?
音がいいかどうかは別にして、CDのほうがノイズが少ないだろう。16ビットのダイナミックレンジは、96デシベルという範囲になるから、ヒトの聴覚が扱う音の強さの範囲よりかは少し狭いけど、一般的に再生する音と、その環境の音(暗騒音)を考えれば、通常は十分な幅があって、ノイズは聴こえないといってもいいレベルなんだ。
レコードの音って、僕は直接聴いたことがないけど、テレビでレコードを再生している音を放送したのを聴いたことがあるよ。ザーっていうノイズがはいっていたけど、それがCDとレコードの違いなんだね
そうだね、レコードも、新品のときはいいけど、すこしでも傷があると、プチプチというノイズが入るんだよ。CDにはこれがないし、曲を飛ばしたり簡単にできるから便利だよね。でも、今でも、いわゆるアナログ派は、レコードに針を落とす動作そのものや、あの懐かしいノイズの入った音が気に入っていて、CDよりレコードのほうが音もいいんだっていう人もたくさんいるんだよ。音の良し悪しは、人間の好みの部分が大きいから、単純に周波数やレベルでははかれないんだね。