この手法では、電離層の影響をほとんど受けることがないため、位置の変化量から速度を算出する方法と比較して、 極めて高精度に移動体の速度を算出することが可能です。
その水平成分の精度は2 σで0.03 m/s、3 σで0.08 m/ s となります。
なお、垂直成分の精度はこの限りではなく、原理的に衛星が片方向しかないことから水平成分と比較して約3 倍程度精度が悪化します。 上図のイメージから、複数の衛星から移動体が異なるドップラーシフト周波数の電波を受けていることが分かります。
これらの関係を定式化すると、
Δ fd1 = 1/ λ(V0 - V1)・u1
Δ fd2 = 1/ λ(V0 - V2)・u2
Δ fd3 = 1/ λ(V0 - V3)・u3
Δ fd4 = 1/ λ(V0 - V4)・u4
Δ fd5 = 1/ λ(V0 - V5)・u5
となります。
ここで、λは衛星から照射される搬送波の波長で約0.19m、fb は受信機のクロック誤差(Hz)、un(n = 1..5) は衛星と受信機位置の視線方向単位ベクトルであり、次の式により算出します。
un =ρ n/| ρ n|(n = 1..5)
ρ n =[(Npn - Np0),( Epn - Ep0),( Dpn - Dp0)]T(n = 1..5)
これらの式からVo について解くことにより、移動体の速度を得ることができます。