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労働安全衛生法と作業環境測定(騒音)について

労働安全衛生法は、労働基準法と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とした法律です。

労働安全衛生法の第七章では健康の保持増進のための措置として、事業者に有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場での「作業環境測定」とその結果の記録を義務付けています(労働安全衛生法第六十五条第一項)。また、第六十五条第二項で「作業環境測定」は、厚生労働大臣の定める「作業環境測定基準」に従って行わなければならない、と定めています。

「作業環境測定」を行うべき作業場は、労働安全衛生法施行令第二十一条に定められており、そのうち著しい騒音を発する屋内作業場は、労働安全衛生規則第五百八十八条に8ヵ所が定められています。また、「騒音障害防止のためのガイドライン」(基発第546号)では前述の8ヵ所(ガイドライン別表1)に加え、等価騒音レベルが85dB(A)以上になる可能性が大きい作業場として52ヵ所(ガイドライン別表2)を挙げています。

※労働省労働基準局長が発行する通達を"基発"と呼びます。

測定方法について「作業環境測定基準」の第四条で次のように規定されています。

  1. 測定点は、単位作業場所の床面上に6m以下の等間隔で引いた縦の線と横の線との交点の床上120cm以上150cm以下の位置(設備等があって測定が著しく困難な場所を除く)とすること。ただし、単位作業場所における騒音レベルがほぼ均一であることが明らかなときは、測定点に係る交点は、当該単位作業場所の床面上に6mを超える等間隔で引いた縦の線と横の線との交点とすることができる。
  2. 前号の規定にかかわらず、同号の規定により測定点が5に満たないこととなる場合にあっても、測定点は、単位作業場所について5以上とすること。ただし、単位作業場所が著しく狭い場合であって、当該単位作業場所における騒音レベルがほぼ均一であることが明らかなときは、この限りでない。
  3. 音源に近接する場所において作業が行われる単位作業場所にあっては、前2号に定める測定のほか当該作業が行われる時間のうち、騒音レベルが最も大きくなると思われる時間に、当該作業が行われる位置において測定を行うこと。
  4. 測定は、次に定めるところによること。
    イ 測定に用いる機器(以下「騒音計」という)は、等価騒音レベルを測定できるものであること。
    ロ 騒音計の周波数補正回路のA特性で行うこと。
  5. 1つの測定点における等価騒音レベルの測定時間は、10分間以上の継続した時間とすること。

「ガイドライン」では上述の第1項および第2項にしたがってメッシュ交点5点以上の平均値を求める測定法を「A測定」、第3項にしたがった音源に近接する場所での測定を「B測定」と呼んでいます。

測定結果の評価方法は、「騒音障害防止のためのガイドライン」(基発第546号)で規定されています。A測定平均値(A測定の測定値のうち80dB(A)以上のもの算術平均)と、B測定の結果を次表に当てはめて評価します。

A測定平均値\B測定 85 dB(A) 未満 85 dB(A) 以上 90 dB(A) 未満 90 dB(A) 以上
85 dB(A) 未満 第Ⅰ管理区分 第Ⅱ管理区分 第Ⅲ管理区分
85 dB(A) 以上 90 dB(A) 未満 第Ⅱ管理区分 第Ⅱ管理区分 第Ⅲ管理区分
90 dB(A) 以上 第Ⅲ管理区分 第Ⅲ管理区分 第Ⅲ管理区分

事業者は、作業環境測定結果の評価結果に基づき、管理区分ごとに、それぞれ次の措置を講じなければなりません。

第Ⅰ管理区分 作業環境の継続維持に勤めること
第Ⅱ管理区分 当該場所を標識によって明示する等の措置を講ずること。
施設、設備、作業工程又は作業方法の点検を行い、その結果に基づき、施設又は設備の設置又は整備、作業工程又は作業方法の改善その他作業環境を改善するため必要な措置を講じ、当該場所の管理区分が第I管理区分となるよう努めること。
騒音作業に従事する労働者に対し、必要に応じ、防音保護具を使用させること。
第Ⅲ管理区分 当該場所を標識によって明示する等の措置を講ずること。
施設、設備、作業工程又は作業方法の点検を行い、その結果に基づき、施設又は設備の設置又は整備、作業工程又は作業方法の改善その他作業環境を改善するため必要な措置を講じ、当該場所の管理区分が第I管理区分又は第II管理区分となるようにすること。 なお、作業環境を改善するための措置を講じたときは、その効果を確認するため、当該場所について作業環境測定を行い、その結果の評価を行うこと。
騒音作業に従事する労働者に防音保護具を使用させるとともに、防音保護具の使用について、作業中の労働者の見やすい場所に掲示すること。

また、作業環境の測定を実施し、測定結果の評価、対策を行ったときは、その都度以下に示す事項を記録して3年間保存しなければなりません。なお、ガイドラインでは、測定結果が第Ⅱ管理区分及び第Ⅲ管理区分に該当する場合は、5年間保存する事が望ましいとしています。

  • 測定日時
  • 測定方法
  • 測定個所
  • 測定条件
  • 測定結果
  • 評価日時
  • 評価個所
  • 評価結果
  • 測定及び評価を実施した者の氏名
  • 測定及び評価の結果に基づいて改善措置を講じたときは当該措置の概要

また、事業者は、騒音作業に常時従事する作業者に対し、健康診断をおこなわなければなりません。

次回以降も計量、測定に関係した他の法令をご紹介して予定です。

(2011年10月20日発行メールマガジンより抜粋)