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信号の実効値とパワーについて

前々回の「デシベルについて」に続いて、FFTアナライザのユーザから良く来る質問を取り上げます。

信号の実効値とパワーとは何ですか? またその違いは? その値をデシベルで表記するとどうなりますか?

時間信号の実効値とは、RMS(Root Mean Square、2乗平均平方根)ともよばれ、信号を2乗して平均をとり、それの平方根をとったものです。すなわち周期Tの時間信号x (t) の実効値をx rmsとすると、(1)式で定義されます。

  • 信号の実効値とパワーについて_N0.1

.................................(1)

実効値は、交流時間信号の大きさ(強さ)を表すのによく使われます。例えば、交流電源200 Vとか100 Vという電圧値は、実効値です。また、スペクトラムアナライザ(高周波用)やFFTアナライザ(低周波用)などの交流時間信号の周波数分析器では、各周波数成分の大きさ(強さ)を表すのに用いられています。

そもそも、実効値とは電力に関係する量で、詳細は【参考資料1】を参照下さい。

(1)式の実効値がよく用いられる理由は、1つにはランダム信号を含め様々な複雑な信号に適用できること、もう1つには、信号のパワーと関連して物理的に明確な意味を持たせることのできる量であることです。

次に信号のパワーに関してです。(1)式で平方根の中の値を2乗平均値と呼び、これを時間信号のパワーと定義します。

  • img-measurement-column-20110922-02

.................................(2)

パワーの物理単位は、(2)式でのx (t) が電圧信号であればV2、ある物理量EUであればEU2となります。ここでのパワーは、必ずしも物理で言うところのパワー(単位時間当たりのエネルギー)と直接関連づけているわけでなく、信号量の2乗の次元をもった量を意味しています。もちろん負荷抵抗などが既知であればその消費電力と対応つけることもできます。

FFTアナライザでのパワースペクトルとは、(2)式の信号のパワー(全体のパワー)をFFT演算により周波数毎に分解してパワー値を算出した結果です。

次に、これらの値のデシベル表記についてです。

【参考資料2】「デシベルとは」にも記したように、デシベルとは、パワー(電力)の比の対数の10倍と定義されます。今、ある周波数fでのパワースペクトルをP ( f ) として、基準値を1 V2と定義すると;

パワースペクトルの対数表記 10log(P(f))
パワースペクトルのリニア表記(実効値) img-measurement-column-20110922-03

と表されます。

実効値の対数変換と考えると;

  • 信号の実効値とパワーについて_N0.3

となり、パワーの対数変換と同等となります。

具体的な数値例

    x(t)=5sin(2πft)の場合
    パワー値=12.5(V2)
    対数表記=11.0dBV
    リニア値=3.54(V)

【注意1】上記の数値例では、周波数f(単一正弦波)での値となります。
【注意2】上記のリニア値は実効値表記ですが、ピーク値表記では5 Vと表記されます。

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以下は当社の対応ホームページへジャンプします。

デジタル計測の基礎 - 第3回「時間波形と実効値」

技術資料「dB(デシベル)とは」

(2011年9月22日発行メールマガジンより抜粋)