(2)外力が働かない場合
運動方程式は微分方程式を解くことでした。今回は例をあげて解いてみましょう。専門書の解説用語と比較しながら見ていくと理解しやすいと思い、そのように説明を進めます。
2-1 専門書などで解説されている一般的な式
前号より運度方程式は次式で表わされます。
mx''+cx'+kx=0 ・・・(1)
mで割って
x‘’+(c/m)x‘+(k/m)x=0 ・・・(2)
ここで
k/m=ωo^2 (ωo:固有振動数)
さらに臨界減衰係数Ccを
Cc/2m=√k/m=ωo
ζ=c/Cc (ζ:減衰定数)
にとると、(2)は
x‘’+2ζωox‘+ωo^2x=0 ・・・(3)
この解は
x=Ae^(-ζωot)cos(√1-ζ^2*ωot−Φ) ・・(4)
または
x=Ae^(-ζωot)sin(√1-ζ^2*ωot+Ψ)
ωn=√1-ζ^2*ωo (減衰自由振動周波数)
A、Φ、Ψは初期条件で定まる値です。
ζ≪1では
ωn=ωo
x=Ae^(-ζωot)cos(ωot-Φ) ・・・(4‘)
として解説されています。
ωo、ζがどんな意味を持つかに注目していきます。
2-2 例題
(1)式として次の例をとりあげます。
x‘’+2x‘+400x=0 ・・・(5)
これは前号の図で質量を右にずらし、そっと放した場合の式になります。
右辺が0の微分方程式は同次方程式といいます。
この方程式を解くとき、減衰と振動は複素数の指数関数として表わされますから、解の形を
x=e^λt ・・・(6)
とおいて、λを求めます。λは複素数です。
(6)を微分すると
x'=λe^λt、 X''=λ^2*e^λt
これを(5)式に代入し
λ^2*e^λt+2λ*e^λt+400e^λt=0
(λ^2+2λ+400)e^λt=0 ・・・(7)
e^λt≠0より
λ^2+2λ+400=0 ・・・(8)
式(8)は系の振動特性を表わすので、特性方程式といいます。
根を求める公式を利用し、
λ=[{-b±√b^2-4ac}/2a]
={-2±√4-4*400}/2
=-1±√1-400
=-1±j√399 ・・・(9‘)
≒-1±j√400
≒-1±j20 ・・・(9)
xの2つの解が得られました。
x1=e^-1+j20、 x2=e^-1-j20
[定理1]
同次方程式の解がx1、x2の2つ求められたとき、解は
x=Ax1+Bx2
となり、A、Bは積分定数で初期条件などで決る。
定理1より、またオーラーの公式(10)を使い
e^jθ=cosθ+jsinθ
e^-jθ=cosθ−jsinθ ・・・(10)
x=Ae^(-1+j20)t+Be^(-1-j20)t
=e^-t{Ae^j20t+Be^-j20t}
=e^-t{Acos20t+jAsin20t+Bcos20t-jBsin20t}
=e^-t{(A+B)cos20t+j(A-B)sin20t}
ここで新しい定数を、C=A+B、D=j(A-B)とすれば
x=e^-t{Ccos20t+Dsin20t} ・・・(11)
と一般解を得ました。
(10)式を微分すると
x'=−e^-t{Ccos20t+Dsin20t}
+e^-t{-20Csin20t+20Dcos20t} ・・・(12)
C、Dをきめるため、変位を1mずらしそっと放したとすると、初期条件は
t=0で、x=1、x'=0
この条件を(11)式、(12)式に入れると
1=C
0=−C+20D
より、
C=1
D=1/20
よって、
x=e^-t{cos20t+1/20*sin20t} ・・・(13)
さらに三角関数の合成の公式を使うと
x=e^-t√(1^2+1/20^2)cos(20t-Φ)
=1.0012e^-tcos(20t-Φ) ・・・(13‘)
Φ=tan^-1(D/C)=tan-1(1/20)
質量mを1mずらしそっと放した時の振動変位xを求めることができました。
図1は(13')式をグラフに描いたものです。
質量mを1mずらしそっと放した時の振動変位xを求めることができました。
図1は(13‘)式をグラフに描いたものです。
図1 減衰波形
(2006年2月23日発行メールマガジンより抜粋)