応答スペクトル、簡単には外力に対する応答を表わしたものです。
応答をもとめていくには運動方程式にもどってしまいます。
前回まででも振動現象をあつかうには運動方程式が基本ということはわかりました。では具体的にはどうなるのだろう、一度運動方程式を解いてみたいと思われた方は多数おられることと思います。
この運動方程式にFFTはどんなかかわりをもっているのか最初に戻ってトライしてみたいと思います。お付き合いください。
(1)運動方程式
1自由度系の運動方程式は外力が働かないときは
mx‘’+cx‘+kx=0 ・・・(1)
外力f(t)が働くときは
mx‘’+cx‘+kx=f(t) ・・・(2)
と現されます。この式はよく出てきましたが、がなぜそのように表わせるのでしょうか。参考文献として「地震動のスペクトル解析」大崎順彦著鹿島出版会発行よりニュートンの運動の3法則を引用してみました。
第1法則
静止もしくは等速直線運動をしている物体は、これに力が作用していないかぎり、その状態を持続する。
第2法則
加速度(速度の変化)は、作用した力に比例しその力の方向に起こる
第3法則
作用は常に反作用と逆向きでそれらの大きさは等しい
それぞれ慣性の法則、運動の法則、作用反作用の法則などといわれています。
さて、第2法則から 加速度α、力Fとすると
α∝F ・・(3)
比例定数の逆数をm質量と定義して
α=(1/m)F 、F=mα ・・・(4)
と表わされます。さらに書き換えて
(-mα)+F=0 ・・・(5)
この式は-mαとFがつりあっているとみなすことができ、-mαを慣性力という。これは物体が加速度を持って運動しているときでも、慣性力を考えると静的な力のつりあいとして考えることができ、ダランベールの原理といわれています。
1自由度系の図1にあてはめて考えてみましょう。
図1
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抵抗のない床に、質量mが有り、バネとダンパーで結合されている。この質量を少し右にずらして静かにはなすと、質量はバネの力で左に戻されますが、ダンパーにより急には元に戻りません。ダンパーは速度に比例した抵抗(減衰力)を示すからです。振動しながら元に戻ることもあり、振動せずに戻ることもあります。これは、質量・バネ・ダンパーの大きさで決まります。
「質量を少し右にずらして、静かにはなす」、この時を時間t=0とすると、それ以後は外力がありません(f(t)=0)ので、よって外力のない運動方程式は;
-mx”-cx’-kx=0
初期条件 t = 0の時、x = ずらし量(m)
加速度αは変位を2回微分したもの、速度は1回微分したものであることから 外力f(t)、慣性力-mx''、バネの力-kx、ダンパーの減衰力-cx'のつりあいとなり
-mx''−cx'−kx+f(t)=0
これを書き直すと(2)式が得られました。
外力が働かない時はf(t)=0として(1)式が得られます。
m、c、kは定数ですから(1)式、 (2)式は数学では定数係数の線形微分方程式といいます。次回は微分方程式にチャレンジします。
参考文献
「地震動のスペクトル解析」大崎順彦著 鹿島出版会発行
「複素数のはなし」 鷹尾広保著 日科技連発行
「実用機械振動学」 国枝正春著 理工学社発行
(2006年1月19日発行メールマガジンより抜粋)