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振動解析 -20「振動絶縁-3」

モーターやポンプなどの据付に防振対策として防振ゴムが良く使われています。回転体は回っていると遠心力(向心力)が発生します。アンバランスがあるとアンバランスに起因する変動力が生じ、振動を起こす原因となります。振動を抑えるため回転体のバランスをとることが行われますが、自動車のタイヤ交換ではバランス調整がされているのはこのためです。ではどのような大きさの力となるのでしょうか。

昔物理で習ったことを思い出してみましょう。
物体に糸を付けて回すと、遠心力と向心力が釣り合って、物体は一定の速度で円運動を描きます。遠心力は円周と垂直の外側の方向に働き向心力はその反対の円の中心方向、そして物の速度は円周方向となります。
速度vは半径をr、角速度をωとすると

                      v=rω ・・・(1)

加速度aは力と同じ方向で速度とは垂直の方向となり、

                      a=rω^2 ・・・(2)

力Fは、物体の質量をmとすると

                      F=ma=mrω^2 ・・・(3)

この円運動が垂直の面とすると、垂直の軸に投影された力が上下に働くこととなり、力Fは初期位相を無視すると

                      P=ma=mrω^2sinωt ・・・(4)

としてあらわされます。
モーターの毎分回転数をRとすると、周波数f、ωの関係は

                      f=R/60 、 ω=2πf  ・・・(5)

として求めることができます。

物体をアンバランスの質量と質点と考えることができます。
バランスが悪いと回転数が高くなるほどこの力は大きくなりそのため振動が大きくなります。軸をカップリングするとき芯出しを行うなどは、この理由として実感できることでしょう。
(4)式を良く見るとmrがありますがこれはトルクになります。複雑な機械になると、色々な軸が組合わさっていますからそれぞれの軸のアンバランスを小さくすると振動発生を抑える一助となり、また余分なトルクを省き効率がよくなることがわかります。
さてFFTアナライザーでモーターの台の振動加速度の分析を行うと、回転数Rに起因する振動加速度は(5)式で求まる周波数fの加速度成分として測定できます。それぞれの軸の回転数に注目して分析するとどこの軸による振動か振動源の調査の手がかりとなります。
<例題1>
バネkで支持された台にモーターを取り付けると、静的たわみが10cmであった。モーターにアンバランスの力があり、この力を1/35以下にするにはモーターの回転数を毎分何回転で運転したらよいか。

前号の(5)式

                      固有周波数fo=5/√δ、  δ=静たわみ(cm)

より

                      fo=5/√10=1.58 (Hz)

前号の(6)式

                      伝達率τ=|1÷{1-(ω/ωo)^2}|

より

                      τ=1/35=1/{f/fo)^2-1} ただしf>fo

よって

                      f=9.48Hz

毎分回転数に直すと

                      R=9.48×60=568.8 (r/min)

モーターの回転数を569r/minで運転することになります。

<例題2>
振動ふるい台をアンバランス方式の加振機で加振する。
加振機の回転数750r/min、回転体の総質量1トン、偏心量50mmの時の起振力はどれくらいか

(5)式より

                      f=750÷60=12.5 Hz

(3)式より

                      P=mrω^2=1000×0.05×(2π×12.5)^2=約308×10^3(N)

約308kNの起振力が発生します。

参考文献:実用機械振動学 国枝正春著 理工学社

(2005年9月26日発行メールマガジンより抜粋)