本文にスキップする

Select your region & language

Global

Region

計測に関するよくある質問から- 第35回「DS-3000シリーズ FFTオフライン解析の手順」

当計測コラムでは、当社お客様相談室によくお問い合わせいただくご質問をとりあげ、回答
内容をご紹介しています。

今回は、DS-3000 シリーズ リアルタイム音響振動解析システムソフトウェア DS-0320 で、
レコードされたデータをオフラインでFFT 解析する手順をご紹介します。

DS-0320 とRecord File Viewer の画面

図1 にリアルタイム音響振動解析システムソフトウェア DS-0320 の画面を、図2 にRecord
File Viewer の画面を示します。

  • 図1 リアルタイム音響振動解析システムソフトウェア DS-0320 の画面
    図1 リアルタイム音響振動解析システムソフトウェア DS-0320 の画面
  • 図2 Record File Viewer の画面
    図2 Record File Viewer の画面

レコードファイルを開きオフラインでFFT 解析をおこなう手順

DS-0320 のファイルメニュー (図1 ①)の“オフライン解析データを開く”からレコードデ
ータを開きます(図3)。モードは“FFT (オフライン)”を選びます。

  • 図3 ファイルメニュー ⇒ オフライン解析データを開く ダイアログ
    図3 ファイルメニュー ⇒ オフライン解析データを開く ダイアログ

入出力設定でFFT 解析の条件を設定します。また、必要なグラフを表示し、解析設定やデ
ータ表示設定も設定します。

レコードデータに複数回の収録結果(レコード)が含まれている場合は、Record File Viewerを起動 (図1 ②)し、表示レコード切換(図2 ⑤)で解析対象のレコードを選びます。また、レコードデータ全体ではなくその一部の時間範囲のみを解析したい場合は、図2 ⑥“表
示範囲を解析範囲に登録”や、図2 ⑦“解析範囲”等により解析範囲を指定します。

DS-0320 の先頭移動ボタン (図1 ③)を押してから、START ボタンを押すと、レコードデー
タ全体もしくは指定した解析範囲の先頭から順に解析がおこなわれ、範囲の終了位置で解
析が停止します。

オフライン解析の演算速度を調整する方法

DS-0320 には、オフライン解析の演算速度を設定する機能はありませんが、オーバーラップ
量を増やすと、FFT 解析にかかる演算量が増えるため、演算速度を遅くすることができま
す。

オーバーラップ量は、直前でおこなったFFT 演算に使われた時間軸波形と、今回おこなう
FFT 演算に使う時間軸波形の何 % を重ねるかの設定です。オーバーラップ量が大きいほど、
前回と今回の時間軸波形の重なりが大きく、時間軸波形を切り取る範囲のずれ量は小さく
なるため、演算速度が遅くなります。

オーバーラップ量は、“入出力設定メニュー⇒サンプル条件設定”でコンフィグレーション
ウィンドウを開き、そのうちの“オーバーラップ量”を任意設定にし、“オーバーラップ量
任意値”で設定します (図4)。90 % か95 % 程度の値を設定して演算速度を確認し、期待
する演算速度になるよう調整したうえでFFT 解析をおこなってください。観測したい波形
が表示されたときにSTOP ボタンで止め、データを保存するなどしてください。なお、オー
バーラップ量任意値に設定できる最大値は 99 % です。

  • 図4 コンフィグレーションウィンドウ ⇒ 入出力設定⇒サンプル条件設定
    図4 コンフィグレーションウィンドウ ⇒ 入出力設定⇒サンプル条件設定

オーバーラップ量任意値と、FFT 演算1 回あたりの時間軸波形のずれ量の関係は次の通り
です。

  • ライン数【点】 = サンプル点数【点】÷ 2.56
  • 周波数分解能【Hz】 = 周波数レンジ【Hz】÷ ライン数【点】
  • FFT 時間長【秒】= 1 ÷ 周波数分解能【Hz】
  • ずれ量【秒】= FFT 時間長【秒】× ( 100 - オーバーラップ量任意値 ) ÷ 100

周波数レンジ 20 kHz、サンプル点数 2048 点の場合、ライン数は 800、周波数分解能は
25 Hz、 FFT 時間長は 40 ms です。FFT 演算1 回あたりのずれ量は、オーバーラップ量任意
値が 90 % のとき 4 ms、95 % のとき 2 ms になります。

FFT 演算1 回ごとの時間軸波形・スペクトル等を確認する方法

FFT 演算が1 回おこなわれるごとに演算を停止したい場合は、平均化処理機能を使います。

“入出力設定メニュー⇒平均化処理設定”でコンフィグレーションウィンドウを開き、平均
化処理設定を“パワーSP 加算平均”に、平均処理条件を“回数”に、平均化処理回数を“1”
に設定します (図5)。

  • 図5 コンフィグレーションウィンドウ ⇒ 入出力設定 ⇒ 平均化処理設定
    図5 コンフィグレーションウィンドウ ⇒ 入出力設定 ⇒ 平均化処理設定

AVG ボタンをON にし、DS-0320 の先頭移動ボタン(図1 ③)を押してから、START ボタン
を押すと、FFT 演算が1 回だけおこなわれて停止します。AVG ボタンをON にしたままで、
START ボタンを1 回押すごとに、オーバーラップ量任意値によりきまるずれ量だけ時間軸
波形が進み、FFT 演算結果が表示されます。

アベレージ解析 (平均化処理)の手順

アベレージ解析の手順は、オンラインでのFFT 解析とほぼ同じです。

オーバーラップ量 (図4)は、通常66.7 % か 75 % 程度に設定します。平均化処理設定 (図
5)は、本来の設定に戻してください。平均化処理条件は“時間”にし、平均処理時間は解析
範囲より長い時間に設定します。なお、平均処理時間に設定できる最大値は 999.9 秒です。

Record File Viewer でアベレージしたい解析範囲を指定し、AVG ボタンをON にし、DS-0320の先頭移動ボタン(図1 ③)を押してから、START ボタンを押すとアベレージ解析がおこ
なわれます。

まとめ

今回はDS-3000 シリーズでのFFT オフライン解析と、オフライン解析の演算速度を調整す
る方法、FFT 演算1 回ごとに演算を停止する方法等をご紹介しました。

なお、DS-3000 シリーズRecord File Viewer の使い方に関しましては、前々回の計測コラム
をご参照ください

計測に関するよくある質問から- 第33回「DS-3000シリーズ Record File Viewerの使い方」

(2020年3月18日発行メールマガジンより抜粋)