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計測に関するよくある質問から- 第17回 「騒音計のDC出力について」

当計測コラムでは、当社お客様相談室によくお問い合わせいただくご質問をとりあげ、回答内容をご紹介しています。

音とは圧力の変動が波動として伝わる現象で、その圧力変動(音圧)の単位はPa(パスカル)です。サウンドレベルメータ(騒音計)は音の大きさを測定する測定器で、その大きさは音圧レベル[dB] で表示されます。

サウンドレベルメータ(騒音計)のアナログ出力には交流(AC)出力と、直流(DC)出力があります。DC出力には、騒音計が測定した瞬時音圧レベル値[dB] の値に関連付けられた電圧信号が出力されます。

瞬時音圧レベルについて

騒音計に表示される瞬時音圧レベルLpは、瞬間瞬間の圧力変動(瞬時音圧)の波形に周波数重み付け(A/C/Z) と時間重み付け (FAST/SLOW) をかけて音圧の実効値pを求め、音圧の実効値から式1により求めた値です。ここで、p0 は基準となる音圧で空気中の音の場合は 20 μPa です。

  • 瞬時音圧レベルについて

式1

騒音計で測定された瞬時音圧レベルを外部の機器に取り込むために、騒音計にはDC 出力という機能がついているものがあります。これは測定された瞬時音圧レベルの値を直流電圧信号として出力する機能です。

騒音計は、瞬時音圧レベルのほか、ある計測時間内の平均値(時間平均サウンドレベル、等価騒音レベル)、最大値、最小値などを演算する機能を備えていますが、これらの演算値はDC 出力には出力できません。

騒音計DC出力の出力電圧

当社の高機能騒音計LA-7500 / LA-7200 のDC 出力の主な仕様は次の通りです。

出力レベル                     2.500 V ± 20 mV (フルスケール、1 MΩ負荷時)

スケールファクター       0.250 V ± 20 mV (10 dBあたり)

更新間隔                        1ms

本騒音計で設定できるノーマルレンジは、10-80 dB、20-90 dB、30-100 dB、40-110 dB、50-120 dB、60-130dB の 6段階で、ワイドレンジは 20-130 dB の 1段階です。いずれのレンジでもレベルレンジの上限値(フルスケール)により、瞬時音圧レベルとDC 出力電圧の関係が決まります。

レベルレンジの上限値(フルスケール)と同じ大きさの音が入ったときにDC 出力には 2.5 V が出力されます。また、出力電圧は、音圧レベルの10 dB の変化につき0.25 V 変化します。

騒音計のレベルレンジが 50-120 dB のときの、瞬時音圧レベルと、DC出力の出力電圧の関係を表1 に示します。前回ご紹介したAC出力の出力電圧も同じ表に示します。

表1 瞬時音圧レベルとDC・AC出力電圧の関係(50-120 dBレンジ)

瞬時音圧レベル[dB] DC出力の出力電圧[V] AC出力の出力電圧の実効値[V]
130.0 dB 2.75 V 2.238 V
120.0 dB 2.50 V 0.707 V
114.0 dB 2.35 V 0.3535 V
110.0 dB 2.25 V 0.2238 V
100.0 dB 2.00 V 0.0707 V
90.0 dB 1.75 V 0.02238 V
80.0 dB 1.50 V 7.07 mV
70.0 dB 1.25 V 2.238 mV
60.0 dB 1.00 V 0.707 mV
50.0 dB 0.75 V 0.2238 mV

本騒音計は、レベルレンジの上限値より10 dB 大きな音が入った場合までは音圧レベル値を算出しますので、DC 出力の出力電圧の最大値は2.75 Vです。

また、10 dB あたりの電圧変化量は0.25 V で、1 dB あたりの電圧変化量は0.0025 Vです。レベルレンジの下限値(50 dB)に相当する音が入った場合の出力電圧が0 V になるわけではありません。

本騒音計のDC 出力の出力電圧の精度は± 20 mV 以内です。20 mV は0.8 dB に相当します。DC 出力の電圧信号を外部機器に取り込み、外部機器で音圧レベルに換算する場合は±0.8 dB 以下の誤差を含みますのでご注意ください。

DC 出力の出力電圧と瞬時音圧レベルへの換算式

フルスケール時の出力電圧やスケールファクターの仕様値のままだと換算式が複雑になりますので、DC出力の出力電圧を瞬時音圧レベルへ換算する式を計算しやすいように変形したものを表2 に示します。

レベルレンジが異なっても、換算式はレベルレンジの上限値で決まります。ノーマルレンジの60-130 dB レンジと、ワイドレンジの 20-130 dB レンジは異なるレンジですが、どちらの場合もレベルレンジ上限値 130 dB の換算式を使用できます。

表2 レベルレンジ上限値と、出力電圧から瞬時音圧レベルへ換算式

レベルレンジの上限値 瞬時音圧レベルへ換算式
130 dB 音圧レベル[dB] = 電圧値[V]×40 + 30
120 dB 音圧レベル[dB] = 電圧値[V]×40 + 20
110 dB 音圧レベル[dB] = 電圧値[V]×40 + 10
100 dB 音圧レベル[dB] = 電圧値[V]×40 + 0
90 dB 音圧レベル[dB] = 電圧値[V]×40 - 10
80 dB 音圧レベル[dB] = 電圧値[V]×40 - 10
70 dB 音圧レベル[dB] = 電圧値[V]×40 - 10

アナログ出力端子の切替えについて

当社の高機能騒音計LA-7500 / LA-7200 にはアナログ出力が2系統あります。1つめのアナログ出力はAC 出力専用です。2つ目のアナログ出力(AC/DC OUT端子)にはスルー出力、DC 出力、AC-Z 出力のうちのいずれか1つの信号を選択して出力することができます。DC 出力信号を使用する際には、騒音計のアナログ出力設定を切替えてください。

当社の他の騒音計にもDC出力信号を使用するために騒音計の出力設定の切替えが必要なものがあります。取扱説明書のアナログ出力の節をご確認ください。

まとめ

今回は、瞬時音圧レベル[dB] と DC 出力に出力される電圧値との関係をご紹介しました。

騒音計のDC出力の出力電圧に関しましては、高機能騒音計LA-7500 / LA-7200 のレベルレンジと出力電圧の関係をご紹介しました。当社の他の騒音計では設定できるレベルレンジが異なりますが、考え方は同じです。

DC 出力には、騒音計が測定した瞬時音圧が電圧信号で出力されるため、外部機器に取り込んで瞬時音圧レベルを記録、判定するために使用することができます。DC 出力を使用するには騒音計本体のアナログ出力設定を変更する必要がある場合があります。また、騒音計のレベルレンジを変えると換算式が変わりますのでレベルレンジを固定して使用する必要があります。

(2018年2月21日発行メールマガジンより抜粋)