等価騒音レベルは、変動する騒音をエネルギー平均として表現し、人間がどの程度の騒音にどれくらいの時間暴露されたかを評価する量であり、一定時間内の騒音の総エネルギーを時間平均し、レベル表示した値です。
騒音に係る環境基準は、「騒音に関わる環境基準について(平成10年9月30日環境庁告示64号、改定:: 平成17年5月26日環境省告示第45号)」で定められており、さらにこの基準の範囲内で都道府県または市町村長が環境基準を定めています。この基準において騒音は、原則として、時間の区分ごとの全時間を通じた等価騒音レベルによって評価します。
今回は、この等価騒音レベルの測定方法を、当社騒音計を例にご紹介します。
JIS C 1509-1での規定について
JIS C 1509-1:2005「サウンドレベルメータ(騒音計)-第1部:仕様」で、A特性時間平均サウンドレベルという測定量が規定されていますが、これが等価騒音レベルに該当します。
JIS C 1509-1では、サウンドレベルメータは次の3種類の測定量のいずれかが測定できればよい、と定められております。
- 時間重み付きサウンドレベル
- 時間平均サウンドレベル
- 音響暴露レベル
さらに、サウンドレベルメータは周波数重み付け特性Aを備えなければならず、周波数重み付け特性Aで重み付けて測定した測定量をそれぞれ次のように呼びます。
- A特性時間重み付きサウンドレベル(騒音レベルとも呼ぶ)
- A特性時間平均サウンドレベル(等価騒音レベルとも呼ぶ)
- A特性音響暴露レベル(騒音暴露レベルまたは単発騒音暴露レベルとも呼ぶ)
JIS C 1509-1に適合したサウンドレベルメータの取扱説明書等には、A特性時間平均サウンドレベルと記載されている事がありますが、この測定量が等価騒音レベルに該当します
環境基準における騒音の評価方法
「騒音に関わる環境基準について(平成10年9月30日環境庁告示64号、改定:: 平成17年5月26日環境省告示第45号)」で、環境基準の基準値は、次の方法により評価した場合における値とする、と定められています。
- 評価は、個別の住居等が影響を受ける騒音レベルによることを基本とし、住居等の用に供される建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルによって評価するものとする。この場合において屋内へ透過する騒音に係る基準については、建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルから当該建物の防音性能値を差し引いて評価するものとする。
- 騒音の評価手法は、等価騒音レベルによるものとし、時間の区分ごとの全時間を通じた等価騒音レベルによって評価することを原則とする。
- 評価の時期は、騒音が 1 年間を通じて平均的な状況を呈する日を選定するものとする。
- 評価のために測定を行う場合は、原則としてJIS Z 8731に定める騒音レベル測定方法による。当該建物による反射の影響が無視できない場合にはこれを避けうる位置で測定し、これが困難な場合には実測値を補正するなど適切な措置を行うこととする。また、必要な実測時間が確保できない場合等においては、測定に代えて道路交通量等の条件から騒音レベルを推計する方法によることができる。
- なお、著しい騒音を発生する工場及び事業場、建設作業の場所、飛行場並びに鉄道の敷地内並びにこれらに準ずる場所は、測定場所から除外する。
- この環境基準は、航空機騒音、鉄道騒音及び建設作業騒音には適用除外とする。
このうち第4項では、JIS Z 8731:1999「環境騒音の表示・測定方法」が引用されています。同規格では、測定点の設定は、特に指定がない限り次による、と規定されています。
屋外における測定
反射の影響を無視できる程度に小さくする事が必要な場合には、可能な限り、地面以外の反射物から3.5m以上はなれた位置で測定する。測定点の高さは、特に指定がない限り、地上1.2m ~ 1.5mとする。それ以外の測定点の高さは、目的に応じて定めるものとする。
建物の周囲における測定
建物に対する騒音の影響の程度を調べる場合には、特に指定がない限り、対象とする建物の騒音の影響を受けている外壁面から1 ~ 2m離れ、建物の床レベルから1.2m ~ 1.5mの高さで測定する。
建物の内部における測定
特に指定がない限り、壁その他の反射面から1m以上離れ、騒音の影響を受けている窓などの開口部から約1.5m離れた位置で、床上1.2m ~ 1.5mの高さで測定する。
なお、測定点以外の規定については、JIS Z 8731:1999を参照ください。
積分平均サウンドレベルメータLA-1440での等価騒音レベルの測定手順
[A/C/Z]キーを押し、周波数重み特性をA特性に切り替えます。
[FAST/SLOW]スイッチを押し、時間重み付け特性をFASTに切り替えます。
レベルレンジを切り替えます
△/▽(レベル)スイッチを押すたびに、レベルレンジは”20 - 90dB”⇔”30 - 90dB”⇔”40 - 100dB”⇔”50 - 110dB”⇔”60 - 120dB”⇔”70 - 130dB”⇔”40 - 120dB”の順に切り替わります。測定対象の音が設定したレベルレンジで測定可能な範囲を超えると、過負荷(ovl)またはアンダーレンジ(udl)の警告が表示されます。
通常は警告表示の心配の少ないワイドレンジ(“40 - 120dB”)に設定しておくと、殆どの測定に対応する事ができます。
設定されているレベルレンジの値は、画面下部に表示されているバーインジケータの左下・右下に表示されています。
MENUのMEASURE画面上で測定時間(000:00:00 ~ 199:59:59)を設定します。
下図は測定時間を10分に設定した例です。
[START]スイッチを押すと測定を開始します。
測定中は演算測定中のマーク( )が表示されます。設定した測定時間が経過すると、自動的に演算を停止し、マーク( )が消えます。
測定終了後、[Lp/Leq]スイッチを押し、表示項目をA特性時間平均サウンドレベル(等価騒音レベル、LAeq)に切り替えます。
再度測定する場合は、[START]スイッチを押すと、演算結果がクリアされ、再度測定が始まります。この際は、[Lp/Leq]スイッチを押して、表示項目をA特性時間重み付きサウンドレベル(騒音レベル、LA)に切り替えてもかまいませんし、LAeqのままでも構いません。
他のサウンドレベルメータ(騒音計)をご使用の場合、スイッチの名称やメニュー構成が異なりますが、等価騒音レベルの測定手順は殆ど同じです。
LA-1440で、LAeqを10分毎に24時間繰り返し測定し自動保存する測定手順
交通騒音などでは朝6時から翌6時まで24時間測定するなどの長時間の測定をおこないます。10分毎の自動測定・保存の手順は下記の簡易操作手順書(URLをクリックするとお使いのブラウザでリンクページを表示します)をご参照ください。
LA- 1440、LA-4440サウンドレベルメータ(騒音計)簡易操作手順書「LAeq(LX)を10分毎に24時間繰り返し測定し自動保存する」
まとめ
今回は、音響計測において測定される事が多い等価騒音レベルについて、測定方法を中心にご紹介しました。次回も他の測定量について、測定手順をご紹介する予定です。
騒音計や、騒音の測定方法、環境基準等につきましては、次の資料もご参照ください。
(2012年10月18日発行メールマガジンより抜粋)