これまでは「音の測定の基礎」と題し、音響分野のアプリケーションをご紹介してきました。今回からは特定の分野からはなれ、隔月にて、計測に関する基本的な概念をご紹介していきたいと考えております。
計量法とは、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的とした法律です(計量法第一条)。この条文には計測・計量をおこなううえで基本的な概念が定義されていますので、今回はそのいくつかをご紹介します。
“計量、もしくは、計測とは何か”と問われたとき簡潔に説明するのは意外と難しいのですが、計量法では、「物象の状態の量」を計る事、と簡潔に定義されています(計量法第二条)。
「物象の状態の量」は、一般的な計測であれば何でも対象になりうるのですが、計量法では適用範囲を明確にするため、長さ、質量、時間、電流、温度、物質量、光度、角度、立体角、面積、体積、角速度、角加速度、速さ、加速度、周波数、回転速度、波数、密度、力、力のモーメント、圧力、応力、粘度、動粘度、仕事、工率、質量流量、流量、熱量、熱伝導率、比熱容量、エントロピー、電気量、電界の強さ、電圧、起電力、静電容量、磁界の強さ、起磁力、磁束密度、磁束、インダクタンス、電気抵抗、電気のコンダクタンス、インピーダンス、電力、無効電力、皮相電力、電力量、無効電力量、皮相電力量、電磁波の減衰量、電磁波の電力密度、放射強度、光束、輝度、照度、音響パワー、音圧レベル、振動加速度レベル、濃度、中性子放出率、放射能、吸収線量、吸収線量率、カーマ、カーマ率、照射線量、照射線量率、線量当量又は線量当量率(以上、計量法第二条第一項第一号)、繊度、比重その他の政令で定めるもの(以上、計量法第二条第一項第二号)としています。
「計量単位」とは、“計量の基準となるものをいう”と定義されています。計量単位ですが、物象の状態の量のうち別表第一の上欄に掲げるものは国際的な決定及び慣行に従い(計量法第三条)とあり、国際単位系に従うように定義されています。その他の計量単位や、十の整数乗を乗じたものを表す計量単位も計量法第四条から第六条で定義されています。
計量単位のうち「法定計量単位」は、計量法第三条から第五条までに規定された計量単位のことで、法定計量単位以外の単位は、第二条第一項第一号に掲げる物象の状態の量(長さ、質量、時間、電流など)について取引又は証明に用いてはならないとさだめられています(計量法第八条)。
「取引」とは、有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為をいい、「証明」とは、公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明することをいいます(計量法第二条第二項)。
「計量器」とは、計量をするための器具、機械又は装置をいいます(計量法第二条第四項)。
計量器のうち「特定計量器」とは、取引若しくは証明における計量に使用され、又は主として一般消費者の生活の用に供される計量器のうち、適正な計量の実施を確保するためにその構造又は器差に係る基準を定める必要があるものです(計量法第二条第四項)。この特定計量器は、計量法施行令第二条で定められており、タクシーメーター、電力量計、騒音計、振動計など18種類が指定されています。また、特定計量器を、取引若しくは証明に使用する場合は、その製造、修理、検査、検定やその有効期間などが定められております。
次回も引き続き、計量法の規定をご紹介します。
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(2011年6月23日発行メールマガジンより抜粋)