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音の測定の基礎 - 第24回「音の透過と吸音」その3 - 受音室の音圧レベルを決める要因 -

今回は、[残響室-残響室]を用いて計測する音響透過損失の計算式から、一般の室間での受音室側への透過音の音圧レベルを決める要因を考えてみます。

受音室の音圧レベルが高い時に、室間の界壁の遮音性をあげることで、透過音の音圧レベルを低減することは容易に想定できます。しかし、それ以外の要素も受音室の音圧レベルに影響します。それぞれの要因と結果としての受音室内の音圧レベルの関係を理解しておくことで、設計時や対策が必要な場合にいくつかの選択肢を検討することが可能です。

計測コラム「音の測定の基礎 - 第12回「騒音の評価」その8 - 音響パワーレベルと室内音圧レベルの関係 -」で、音響パワーレベルと室内音圧レベルの関係について説明しました。今回、もう一度そこから振り返って説明します。

音の測定の基礎 - 第12回「騒音の評価」その8 - 音響パワーレベルと室内音圧レベルの関係 -

  • 図1 音源室から受音室への音の透過
    図1 音源室から受音室への音の透過

上図1に示す音源室の音源のパワーレベルをLw、室の等価吸音面積をA1とすると、室内の音圧レベルは、次の(1)式で求められます((1)式の導出に関してはemm102号参照してください)。ただし、この(1)式が成立するのは、室内の残響性が高く、音源の位置から一定の距離離れた点に限られます。

.................................(1)

前回の計測コラムで、音響透過損失として導出した(2)式に(1)式を代入し;

  • 音の測定の基礎 - 第24回「音の透過と吸音」その3 - 受音室の音圧レベルを決める要因 -_N0.1

.................................(2)

受音室の音圧レベルL2は、(3)式となります。

  • 音の測定の基礎 - 第24回「音の透過と吸音」その3 - 受音室の音圧レベルを決める要因 -_N0.2

.................................(3)

     Lw :音源室の音源パワーレベル(dB)
     L1 :音源室における室内音圧レベル(dB)
     L2 :受音室における室内音圧レベル(dB)
     A1 :音源室の等価吸音面積 = 0.16 V1 / T1 (m2
     A2 :受音室の等価吸音面積 = 0.16 V2 / T2 (m2
     F :界壁面積(m2
     R :音響透過損失(dB)
     V1 :音源室室容積(m3
     T1 :音源室残響時間(s)
     V2 :受音室室容積(m3
     T2 :受音室残響時間(s)

(3)式より受音室の音圧レべルL2は、音源室音源のパワーレベルLw、界壁の音響透過損失R、音源室と受音室それぞれの等価吸音面積A1、A2、界壁の面積Fが影響することがわかります。この(3)式は、音源室から受音室に、界壁を通じてのみ音が伝搬する条件において成立します。

音響透過損失を計測する[残響室-残響室]はこの条件を満足することが前提ですが、集合住宅の戸界壁や、ホテル客室間の壁などの実空間では、界壁だけでなく、側壁や天井を経由し固体伝搬音として伝わることによる遮音性能への影響は少なくありません。このように界壁以外からの経路で伝わることを側路伝搬といい、設計値どおりの遮音性能を得るためには、側路伝搬で伝わる固体音の低減が、大変重要な要素になります。

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(2011年3月24日発行メールマガジンより抜粋)