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音の測定の基礎 - 第23回「音の透過と吸音」その2 - 残響室を用いた音響透過損失の測定と理論(2)-

前回から、残響時間をベースに計測される音の透過と吸音を扱っています。今回は、残響室を用いて計測する音響透過損失の計算式の意味を理論的に追っていきます。

音響透過損失Rは、試料に入射する音響パワーW1と試料を透過する音響パワーW2の比の常用対数の10倍で次の式で与えられます:

  • 音の測定の基礎 - 第23回「音の透過と吸音」その2 - 残響室を用いた音響透過損失の測定と理論(2)-_No.1

(dB)

[残響室-残響室]を組み合わせた試験施設での音響透過損失は、前回も触れたように、以下のプロセスで測定します。
音源室側からランダムノイズを出力し、音源室内で十分拡散した音の平均音圧レベルと、試料を透過して受音室側に放射されて拡散した音の平均音圧レベルを測定します。さらに、受音室の残響時間から以下の式で音響透過損失を求めます。

  • 音の測定の基礎 - 第23回「音の透過と吸音」その2 - 残響室を用いた音響透過損失の測定と理論(2)-_No.2

(dB)

ここで;
L1 :音源室における室内平均音圧レベル(dB)
L2 :受音室における室内平均音圧レベル(dB)
F :開放した試料面積に等しい広さの試料の面積(m2
A :受音室の等価吸音面積(m2

また、等価吸音面積Aは以下の式によって求めます。

  • 音の測定の基礎 - 第23回「音の透過と吸音」その2 - 残響室を用いた音響透過損失の測定と理論(2)-_No.3

(m2

ここで;
V :受音室の容積(m3
T :受音室の残響時間(s)

ここで、この式を導出するため、2つの残響室間の音のエネルギーの授受を考えてみます。

エネルギー密度をEとして、拡散音場の周壁の単位面積(1 m2)に、1秒間に入射する音響エネルギーは、「第15回 残響理論と残響時間の測定 その1 拡散音場」で示したように次式(1)で表せます。

  • 音の測定の基礎 - 第23回「音の透過と吸音」その2 - 残響室を用いた音響透過損失の測定と理論(2)-_No.4

ここで;
E :拡散音場のエネルギー密度
c :音速

  • 図1
    図1

上図1に示すように、音源室、受音室のエネルギー密度をそれぞれE1、E2とし、まず、音源室の音が面積Fの試料に入射するエネルギーEsを考えると、(1)式より;

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したがって、隣室に侵入するエネルギーEspは、透過率をτとすると;

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;となります。

一方、受音室側では、室内表面積Sとすると、全壁面に入射するエネルギーErは、(1)式より;

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平均吸音率をαとすると、全壁面に入射し吸収されるエネルギーEraは;

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となり、定常状態において、侵入するエネルギーは、受音室側で吸収される音のエネルギーと平衡になると考えると、Esp = Era となります。即ち;

  • 音の測定の基礎 - 第23回「音の透過と吸音」その2 - 残響室を用いた音響透過損失の測定と理論(2)-_No.8
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音源室、受音室の平均音圧レベルをL1、L2とすれば、室間の音圧レベル差は;

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受音室の室容積をV、残響時間をTとすると;

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(温度20℃でK=0.16)

受音室の残響時間を測定し、(11)式よりSαを求め、(10)式に代入することで、音源室、受音室の平均音圧レベルとから、Rが求められます。

以下は当社の対応ホームページへジャンプします。

小野測器「残響室法による音響透過損失の測定」

(2011年2月17日発行メールマガジンより抜粋)