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音の測定の基礎 - 第25回「音の透過と吸音」その4 - ランダム入射吸音率の測定 -

前回まで、音の透過について説明してきましたが、今回からは「音の吸音」を扱っていきたいと思います。

吸音する目的は、様々あげられますが、大きくは以下の3点が考えられます。

  • 空間を構成する内装材料に吸音処理を行い、室内の残響を制御すること。
  • 防音壁の音源側など、音の伝搬経路に施して、受音側の音圧レベルを下げること。
  • 中空二重壁などの空気層に吸音材を挿入し、壁の遮音性を向上させること。

このように、吸音材は、主に音場の静かさを保つために用いられることが多いわけですが、その吸音性能はランダム入射吸音率で評価するのが一般的です。

今回は、その測定方法と算出式を説明します。

ランダム入射吸音率は、あらゆる方向から一様に吸音材に入射するという条件における吸音率で、測定環境としては残響室を用います。その他には、音響管を用いた垂直入射吸音率や、ある一定の角度の入射条件の斜入射吸音率があり、材料が小試料しか用意できないような制約がある場合や、音場の条件によっては、それらを用いる場合があります。

さて、ランダム入射吸音率の残響室における測定は、次ページ図1に示すように、吸音材(平面材の場合)を対応規格であるJIS A 1409「残響室法吸音率の測定方法:1998」(ISO 354:1985)が規定する残響室の条件の下で、面積10 m2 ~ 12 m2(残響室が250 m3より大きい場合は、その(V/250)2/3倍の面積)の試料を残響室床に設置します。

  • 図1 ランダム入射吸音率の残響室における測定
    図1 ランダム入射吸音率の残響室における測定

吸音率は、実測で求める残響時間Tから以下の手順で算出されます。

最初に、以下の(1)式で等価吸音面積Aを求めます

  • 音の測定の基礎 - 第25回「音の透過と吸音」その4 - ランダム入射吸音率の測定 -_N0.1

.................................(1)

     A :等価吸音面積(m2
     V :試料を入れない状態における残響室の容積(m3
     c :空気中の音速(m/s)
     T1 :試料を入れない状態における残響室の残響時間(s)
     T2 :試料を入れた状態における残響室の残響時間(s)

次に、等価吸音面積と試料の面積から吸音率αsを求めます。

  • 音の測定の基礎 - 第25回「音の透過と吸音」その4 - ランダム入射吸音率の測定 -_N0.2

.................................(2)

     αs:吸音率
     S :試料の面積(m2

また、対象が平面材ではなく、椅子などの家具や、吸音体(グラスウールのロールなど)を扱う場合、(1)式の等価吸音面積Aを求め、個数当たりのAで性能評価するのが一般的です。

JIS A 1409では、残響室の形状や、容積以外にも、残響時間の測定回数や、残響波形の読み取りなど、細かく規定されていますので、ご参照ください。

(1)式の導出については、次回説明します。

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日本工業標準調査会(JISC)ホームページではJIS規格番号に対応した詳細情報のPDFファイル閲覧が可能です。次のリンクのジャンプ先ページから「データベース検索」-「JIS検索」をクリックしてください(検索欄入力時年号は省略します)。

JIS A1409「残響室法吸音率の測定方法:1998」(ISO 354:1985)」

以下は当社の対応ホームページへジャンプします。

小野測器アプリケーション事例「残響室法による吸音率の測定」

(2011年4月21日発行メールマガジンより抜粋)