今回は、騒音計の新しいJIS規格に関するお話しをします。
騒音計の新規格JIS C 1509-1:2005は、国際規格IEC 61672-1(2002年)の翻訳JIS(IDT:一致している)で、そのタイトルも、「サウンドレベルメータ(騒音計)」となっています。このことは、この規格に適合する音響測定器は、単に騒音測定用だけでなく幅広い音響測定に使用できる音圧レベル計であると言う意味合いが含まれています。
この規格は、「サウンドレベル」という新用語を定義しています。すなわち、ある周波数重み付け(AやC)した音圧レベルを特にサウンドレベルと呼びます。更に、この規格では、以下の4種類のサウンドレベルを規定しています。
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時間重み付きサウンドレベル
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時間平均サウンドレベル
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音響暴露レベル
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ピークサウンドレベル
これらの量は、ある基準値で比を取り対数演算してレベル化しますので、すべて、表示単位はdB(デシベル)です。
時間重み付きサウンドレベルとは、ある周波数重み付けした瞬時音圧の2乗値を求め、それに時間重みをかけて(ローパスフィルタを通して)レベル化したものです。例えば、A特性時間重みサウンドレベルは、
·················(1)
ここに、
τ :時間重み付け特性Fまたは時間重み付け特性Sの時定数(s)
ξ :-∞で表すある過去の時刻から観測時刻tまでの積分変数
pA(ξ) :時刻ξにおける瞬時A特性音圧
p0 :基準音圧
(1)式のようになります。これは、今まで使ってきた(瞬時の)A特性音圧レベル(すなわち、騒音レベル)に対応します。なお、(1)式は、以前の計測コラム(「AC/DCと計測器」)でも説明していますので、ご参照ください。
<注意>
- (1)式は、原国際規格通りに常用対数の20倍としていますが、物理的な意味合いを考えたら、常用対数の10倍と定義するのが普通です<(2)式も同様>。
- 最近の騒音計は、瞬時音圧時間信号を高速でサンプリングをして、すべてディジタル演算処理をして表示しております。
時間平均サウンドレベルとは、ある周波数重み付けした瞬時音圧レベルの2乗値を求め、それを指定した時間でパワー平均(エネルギー値の時間平均)を取りレベル化したものです。例えば、A特性時間平均サウンドレベルは、
·····················(2)
ここに、
ξ :t - Tから観測時刻tまでの積分変数
T :平均時間
pA(ξ) :時刻ξにおける瞬時A特性音圧
p0 :基準音圧
(2)式のようになります。これは、環境騒音分野で一般的な等価騒音レベル(Leq)に対応します。
一般的に、時間平均音圧レベルは、時間とともに変動する音圧レベルのある指定された時間または対象とする機械のある動作サイクル時間での代表値で、上述のようにエネルギーベースの平均処理のため物理的な意味合いも明確で、多方面で利用されている非常な重要なパラメータです。
最近のISO規格に国際整合化された騒音計測のJIS規格でも、このパラメータを求めることが必須となっています。以下は、主要な計測分野とその分野での用語です。
環境騒音の測定(JIS Z 8731)·······················等価騒音レベル
音響パワーレベルの測定(JIS Z 8732/8733)········時間平均音圧レベル
機械騒音の音圧測定(JIS Z 8737シリーズ)······時間平均放射音圧レベル
音響暴露レベルとは、音響暴露量(指定した時間での瞬時音圧の2乗積分値)をレベル化したものです。例えば、A特性音響暴露レベル(LAE)とA特性時間平均サウンドレベル(等価騒音レベル、LAT)との関係は、
·····················(3)
ここに、
EA :平方パスカル秒で表したA特性音響暴露量
E0 :();基準音響暴露量()sPsPaa212210400120−×=×μ
T0 :1s基準時間
T :t2 – t1秒で表した音響暴露レベル及び時間平均サウンドレベルの測定時間
(3)式となります。この量は、環境騒音では、単発騒音暴露レベルと呼ばれます。また、(3)式の関係は、前回の計測コラム(「いろいろな時間波形とスペクトル」)で述べたように、PSDとESDとの関係と同じです。
デジタル計測の基礎 - 第9回「いろいろな時間波形とスペクトル」
ピークサウンドレベルとは、ある周波数重み付けした瞬時音圧の絶対値の最大値をレベル化したもので、衝撃性の騒音の評価に利用されていて、通常は、EU機械指令要求により、周波数重みはC特性、すなわち、C特性ピークサウンドレベル(LCpeak)が使われています。
参考文献:JIS C 1509-1 電気音響 - サウンドレベルメータ(騒音計)- 第1部
(2008年7月24日発行メールマガジンより抜粋)