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「波形とFFT-8」7-4. FFTとバンドパスフィルター

7-4.FFT とバンドパスフィルター

前回でFFT ではX 軸は f0 飛びの離散点で表されることがわかりました。では信号の周波数が狭間にある成分はどうなるのでしょうか。今回はこれについて考えます。

FFT アナライザでは周波数レンジ、サンプル点数を設定しFFT します。周期T、周波数分解能f0 はこの設定で決まってしまいます。高い周波数まで高分解能で分析するにはサンプル点数を大きく設定する必要がありますが、例えば固有振動数が9.72Hz の精度まで必要かというとそうではなく、実用的は10.0Hz とわかれば十分なことが多々あり、目的用途に適した測定条件を設定し測定することとなります。

さて、冒頭で記しましたf0、この整数倍に当たらない狭間の周波数f の成分C はどうなるかというと、f の両サイドの周波数k f0 と(k+1) f0 のC1、C2 に別れて表示されます。k f0 のスペクトルC1 はf がk f0に近ければ近いほど大きく、また離れるほど小さく表示されます。f = k f0 ではC1 はC に一致します。k f0 のスペクトルはちょうどf0 を中心としたバンドパスフィルターを通した信号の大きさ(パワースペクトル)となります。このことをイメージ図として図7-4 に示します。このようなことから「FFT アナライザのパワースペクトル表示はバンドパスフィルターが多数並んだもの」と考えることができます(図7-5)。
そしてこのバンドパスフィルターの形、バンド幅は次回で説明しますウインドウ関数(窓関数)により決まります(図7-6)。
余談ですが、音響分野では1/3 オクターブバンドや、1/1 オクターブバンドの分析がよく使われますが、これと対比してFFT はバンド幅が極めて狭いバンドパスフィルターの意味で【ナローバンド】と言われることがあります。
ナローバンドはIT 用語では電話回線など低速通信回線の用語として高速通信のブロードバンドとともによく使われていますが、ここでのナローバンドは狭帯域の周波数の意味で使われます。

<ポイント>
FFT は、多数のバンドパスフィルターが並んでいて、このバンドパスフィルターを通した信号のパワーを表します。バンドパスフィルターの形はウインドウ関数(窓関数)で決まります。

  • 図7-4:FFT とバンドパスフィルター
    図7-4:FFT とバンドパスフィルター

FFT のk f0 のパワースペクトルは、バンドパスフィルターを通した信号のパワーになります。

  • 図7-5:FFT の概念図
    図7-5:FFT の概念図

FFT は多数のバンドパスが並んでいて、各バンドパスのパワーを求めているイメージにな
ります。

  • 図7-6:ウインドウ関数(窓関数)によるバンドパスフィルターの形
    図7-6:ウインドウ関数(窓関数)によるバンドパスフィルターの形

バンドパスフィルターの形はウインドウ関数(窓関数)により決まります。

(2007年7月19日発行メールマガジンより抜粋)