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「AD変換・量子化・分解能・SN比・ダイナミックレンジ」

センサーから得られる電圧信号などのアナログ信号を特定の周波数でサンプリングし数値化することをAD変換といいます。
(analogue-to-digital conversion)

AD変換の精度は数値の桁数で表され、一般的に2進数の桁数8ビット(bit)などと表現されます。
8bitのうちの1bitは符号(極性)に使われますから、最大振幅を1とすると最小の刻みは 2^-7(1/128)になります。この最小の刻みを最小単位と考えれば、その何倍かで数値を表すことが出来ますから、これを量子にたとえ、量子の数で現すという意味でAD変換を量子化(振幅量子化)と言うこともあります。
また、この事を分解能という用語を使うと、AD変換は最大1の振幅を何階かに分解できる意味から分解能8bitで256階調、分解能10bitで1024階調などと表現します。

さて連続波形はAD変換され量子化されたデータは最小の刻みより細かくなりませんので、量子化されたデータと実際の値とに差が生じます。
その差を量子化誤差、その誤差による波形の歪みは量子化ひずみと言われます。これは元の波形から見れば量子化誤差分の雑音が加わったものと考えられます。量子化誤差を小さくするには桁数を多く取ることが分かります。

雑音の程度を現すのに信号電力の雑音電力に対する比としてSN比(S/Nとも表し普通dBで表す signal-to-noise ratio)があります。
量子化誤差をS/Nとして表すと次式で求めることが出来ます。

  S/N=6b+4.8-20LogP
      b:2進桁数(極性1bit含み)
      P:信号の最大振幅と平均振幅の比

正弦波ではP=√2 (2のルートを取ったものとご理解ください)
b=16bitの場合で計算すると

 S/N=97.8 dB

一般にS/N比が高いほど高音質・高画質と言われオーディオ用CDが90dB、映像用VHSでは45dBと言われています。

ダイナミックレンジ(dynamic range)はS/Nと同じ様なことですが、「増幅回路などで、扱うことのできる最も大きな信号と最も小さな信号との大きさの比でdBという単位で表わす」となっています。
例えばAD変換器で考えてみると、量子化ひずみとそれを含んだ増幅回路自身が持っている自己ノイズより小さい信号はノイズに埋もれてしまい、信号かノイズか判断できません。自己ノイズより大きく明らかに信号と認識できる最も小さな信号と最大振幅1との比と言うことになります。

さて長長と訳の分からない事を書いてきましたが、先号の回答のキーワードは、「ダイナミックレンジと、S/Nが大きくとれること」です。デジタルオシロなど測定器は波形振幅に合わせ電圧レンジが変更できるようになっています。これは波形振幅が出来るだけ画面いっぱい(AD変換の振幅1)になるように電圧レンジを合わせ、ダイナミックレンジ 、S/Nが大きくとれる様に適切な電圧レンジを設定することとなります。DCとACがミックスした信号のAC分のみ見る場合はAC結合を選択しその最大振幅に適した電圧レンジを設定して測定すると一番良い測定状態になります。

(2001年12月21日発行メールマガジンより抜粋)