今回のコラムでは自動車や二輪車などのエンジン回転速度の測定について、お話をさせていただきます。
エンジン回転速度とは
エンジンが1分間(毎分)に回転する回数のことを指し、単位は r/min となります。
※rpm と表記されることもあります。
これは「Revolution Per Minute」の略で、エンジンを含む回転体が1分間に回転する数字を表します。例えば、1分間に 3000 回転した場合は「3000 r/min」と表記されます。
なぜエンジン回転速度を測定するのか
エンジン回転速度は、エンジンの性能や状態を把握する為の重要な情報のひとつです。
回転速度の上昇または下降変化量は燃費の良し悪しにも関連します。さらに、トルクや出力といった他の計測データと合わせて見ることによって、エンジンの総合的な性能や状態を評価することができます。
エンジン回転速度の検出方式について
当社の検出方式は大きく、パルス計測方式と FFT 演算方式の 2 つに分類されます。
パルス計測方式(パルスカウント、周期演算)
この方式は以下の3つの種類があります。
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イグニッションケーブルからパルス信号を検出する方式
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エンジンの振動からパルス信号を検出する方式
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燃料噴射管の脈動からパルス信号を検出する方式
各々の検出方式について、簡単に紹介します。
イグニッションケーブルからパルス信号を検出する方式
点火コイル(イグニッションコイル)の低圧一次側導線、高圧二次側導線、および電子式ディストリビュータの電流線にクランプして検出します。各導線に流れる電流変化に同期して点火スパ ークが生じます。その電流変化に伴って磁界の変化が発生します。この磁界の変化を検出コイル(コアの巻き線)でとらえ、電圧信号として取り出します。
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図1 イグニッションパルス検出方式の回転速度センサの設置例
エンジンの振動からパルス信号を検出する方式
エンジンのシリンダヘッド部等に検出器を装着することで燃焼時の爆発や各部品のアンバランスにより生じる振動周期を検出します。
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図2 エンジン振動検出方式の回転速度センサの設置例
燃料噴射管の脈動からパルス信号を検出する方式
燃料噴射管をクランプして検出器を取付け、その噴射管の脈動を検出します。
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図3 燃料噴射管脈動検出方式の回転速度センサの設置例
FFT 演算方式(回転周波数の検出)
この方式は回転体の回転速度に起因するパルスを計測するのではなく、回転表示器の演算部に FFT(高速フーリエ変換)機能を採用することによって、マイクロホン、騒音計や振動センサからの複雑な波形信号でも、回転速度に相当する周波数成分を抽出し、回転速度を演算表示するものです。この方式は比較的きれいなパルスを検出できない場合に有効です。
測定アルゴリズムには、最大ピーク周波数法、周波数間隔法などがあります。
最大ピーク周波数法
パワースペクトルの最大ピークの周波数成分で演算する方法です。
通常はこの方式がとられます。
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図4 最大ピーク周波数法のイメージ
周波数間隔法
回転の各次数成分の周波数間隔を順次求めていき、その中で最も多くあらわれた周波数間隔(図5・青色の矢印)を回転速度の1次成分と判断し、回転速度を決定する方法です。
1次ピークが不安定な場合に有効です。
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図5 周波数間隔法のイメージ
エンジンの種類別、検出方式について
エンジンの種類によって、以下のように検出方式が異なります。
ガソリンエンジン
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イグニッションパルスからエンジン回転速度を検出(パルス計測方式、FFT 演算方式)
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エンジンの振動や音からエンジン回転速度を検出(パルス計測方式、FFT 演算方式)
ディーゼルエンジン
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エンジンの振動や音からエンジン回転速度を検出(パルス計測方式、FFT 演算方式)
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オルタネータの回転からエンジン回転速度を検出(FFT 演算方式)
※オルタネータ:交流の電気を生成する発電機。
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燃料噴射管の脈動からエンジン回転速度を検出(パルス計測方式)
EV/HEV などに搭載されるモータの回転速度検出
本コラムの主題と少しずれますが、HEV や EV などに搭載されるモータの回転速度検出についても簡単に紹介しておきます。
モータからの漏れ磁束を検出して回転速度を検出する方式で、電磁誘導方式とも呼ばれます。モータの回転軸と直行する向きに、電磁誘導方式の検出器を取り付けて、モータの外側に漏れ出している磁束(漏れ磁束と言います)を検出して、モータの回転速度を演算します。
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図6 EV/HEV 用モータの回転速度センサ取り付けイメージ
今回は、回転速度計測の中でエンジン回転速度の計測について簡単にご説明しました。 本コラムと合わせて以下の URL をご参照していただけると幸いです。
【ご参考】
エンジン回転計 関連計測器 概要
(2023年3月15日発行メールマガジンより抜粋)