当計測コラムでは、当社お客様相談室によくお問い合わせいただくご質問をとりあげ、
回答内容をご紹介しています。
今回の状況は、
A特性を掛けた音圧データ(Pa単位)をWAVファイルで収録してある。
そのデータの特定の区間の平均音圧レベルを知りたい。
Oscope Basic はインストールしてある。
になります。
Oscope Basic では、1/N オクターブ解析や基本周波数解析の機能は、含まれていません。
これら2つの解析機能があればアベレージグラフが表示できるので簡単に平均値が得られ
ます。
Oscope Basic の機能しかインストールしていないときは、どうしましょうか。
大丈夫です。ひと手間かければ、平均音圧レベルが求められます。
- 統計処理機能の、標準偏差値(あるいは実効値)から求める方法
- 信号処理の実効値演算の結果から求める方法
の2つの方法を紹介いたします。
1. 統計処理機能を使う方法
平均値を求めたい区間をあらかじめ範囲指定しておきます。
メニューのカスタムの統計処理を開きます。
統計処理を実行します。
演算値が表示されます。この中の標準偏差を使います。
標準偏差:区間内の(個々のデータと平均値の差)を2乗した値の平均値の平方根。
実効値:標準偏差:区間内の個々のデータを2乗した値の平均値の平方根。
実効値を使わない理由:音圧レベル値では、直流分(平均値)はカットされてます。
データの平均値が 0 からずれている場合(直流分のオフセットがある)には、平均値を引き
算して2乗和を求める標準偏差の方を使います。
標準偏差が 0.0205791
音圧レベルは、20 * (0.0205791 / 0.00002 )
= 60.248 dB
0.00002 (20 μPa) は音圧レベルを求めるときの 0 dB 基準値です。
2.実効値演算の結果を使う方法
信号処理の実効値演算では、瞬時の音圧レベルが求められます。
ただし、区間内の平均値が得られません。
瞬時の音圧レベル値をテキスト形式で保存して、エクセルを使用して、平均値を求めます。
信号処理の実効値演算を開きます。
区間は “全区間” を選択しておきます。
区間の指定は、後でテキストファイルにエクスポートするときに指定します。
周波数重み付け補正は、今回はFLATです。音圧波形には、すでにA特性の重みがかかってい
ます。
実効値の時間波形が得られました。
テキスト形式で保存します。
データファイルのエクスポートから、
CSVファイルを選択します。
ファイルを選択して、実行します。
エクスポートするファイルは、元の波形ではなく、実効値のデータファイルです。
CSVファイルができます。
エクセルで開きます。
dB値を2乗値に変換します。
10 (dB / 10) で 2乗値になります。
データ数分の 2乗値の平均値を dB値に戻します。
10 * LOG(2乗値の平均値)
= 60.254 dB
2つの方法で平均の数値が得られました。
元の音圧波形が FLAT特性の波形しかなく、A特性での平均値が欲しい場合は、実効値演算
で、周波数重み付けを A特性を選んで、実行してください。
音圧波形に A特性が掛けられないので、統計演算の標準偏差からは求められません。
以上、2つの方法を紹介いたしました。
(2020年9月25日発行メールマガジンより抜粋)