当計測コラムでは、当社お客様相談室によくお問い合わせいただくご質問をとりあげ、
回答内容をご紹介しています。
今回は、演算機能の使用方法を紹介します。
- 測定環境の音圧レベル(暗騒音)を除去した、装置単体の音圧レベルを知りたい。
暗騒音レベルの除去であれば、パワースペクトルの引き算。 - 加振機で加振しているが、加振機の周波数応答関数が平坦でないので、測定対象の
本来の周波数特性を見ることができない。
加振機の特性の除去であれば、周波数応答関数の割り算。
(イコライズ機能でも対応可能)
1. 暗騒音の除去は、音圧レベルの引き算
機械が動作している時の暗騒音を含んだ音圧レベルを 𝐿T、暗騒音レベルを 𝐿Bとすると、機
械から発生している騒音の音圧レベル 𝐿Sは、
𝐿s=10⋅ log (10𝐿T/10-10𝐿T/10)
で計算できます。
10𝐿T/10、10𝐿B/10 は それぞれ、音圧の実効値の2 乗の値になってます。
以下のページの「12-3 dB の差(パワー差)」にある暗騒音補正をご参照してください。
小野測器 - 技術レポート 騒音計(サウンドレベルメータ)とは-12. デシベル(dB)についての計算
パワースペクトルは、実効値の2 乗の値になっているので、単なるパワースペクトルの引
き算で処理することができます。
グラフ1に、保存しておいた暗騒音レベルのパワースペクトル、グラフ2 とグラフ3 に現
在のパワースペクトルを表示して、グラフ3 の演算式をPWR1-DISP1 で登録。
これで、グラフ3 は暗騒音が除去された音圧レベルのグラフになります。
演算式:
100 Hz~300 Hz 付近のパワースペクトルの形状がはっきりし、オーバーオール値も暗騒
音分が除去された数値になりました。
2. 周波数応答関数の演算
加振機の特性の除去は、周波数応答関数の割り算で処理できます。
-
計測される周波数特性
加振機の特性と装置の特性が重なっています。
計測結果は、 G・H の特性になってしまいます。
予め、加振機だけの特性(G)を計測しておけば、(加振機の加振台での特性)。
計測結果 = G・H なので、
H = 計測結果 / G
で 装置だけの周波数応答関数が求められます。
グラフ1 に保存しておいた加振機の周波数応答関数データを表示。
グラフ2、グラフ3 に 現在の周波数応答関数を表示
グラフ3 は、演算式で FRF1,2 / DISP1 を登録。
グラフ3 に補正された周波数応答関数が表示されました。
イコライズ(equalize)機能 を使うことで、同じ処理が簡単にできます。
メニューの解析設定のイコライズ機能を開きます。
取り除きたい周波数応答関数を表示させ、アクティブにします。
FRF データ登録 の EXEC ボタンをクリック。
これで、取り除きたい周波数応答関数を登録しました。
イコライズ処理したい周波数応答関数をアクティブにします。
イコライズ処理を ON します。(ボタンが青色)
グラフは処理されデータが表示されます。
イコライズ処理の利点は、登録しておけば、その周波数応答関数を表示しなくても演算で
きることです。四則演算と適時、使い分けてください。
(2020年7月15日発行メールマガジンより抜粋)