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計測に関するよくある質問から- 第23回「電荷出力型加速度検出器とチャージコンバータ」

当計測コラムでは、当社お客様相談室によくお問い合わせいただくご質問をとりあげ、回答内容をご紹介しています。

当社で扱っている加速度検出器には、プリアンプ内蔵型加速度検出器と電荷出力型加速度検出器の 2 種類があります。電荷出力型加速度検出器はプリアンプを内蔵していないため、衝突・落下試験などの衝撃的な振動の測定や、高温域での振動測定に向いています。電荷出力型加速度検出器の電荷信号出力を、FFT アナライザやデータステーション等の解析装置で分析する場合は、チャージアンプやチャージコンバータにより電圧信号に変換して解析装置に入力します。

当社のチャージコンバータ CH-6130、CH-6140 は、解析装置の BNC コネクタにとりつけて使用できるため手軽ですが、ゲイン(利得)が固定であるため、組み合わせによっては電荷出力型加速度検出器単体の最大使用加速度よりも小さな加速度までしか測定できない場合があります。そのため、加速度検出器・チャージコンバータの選定にあたっては、実際に発生している加速度の大きさを確認し、適切な製品を選定する必要があります。

チャージコンバータ CH-6130、CH-6140

チャージコンバータ CH-6130、6140 の主な仕様を表 1 に示します。CH-6130 と CH-6140 の違いは利得と価格のみです。大きな加速度を測定する場合は利得の小さい CH-6130 が向いています。小さな加速度を測定する場合は利得の大きい CH-6140 が向いていますが、最大出力電圧±5 V により出力が頭打ちになってしまうため、大きな加速度の測定はできません。

表 1 チャージアンプ CH-6130、CH-6140 の主な仕様

項目

CH-6130

CH-6140

利得

1.0 mV/pC

10 mV/pC

周波数範囲

5 Hz~15 kHz (±0.5 dB)
2 Hz~45 kHz (±3 dB)

5 Hz~15 kHz (±0.5 dB)
2 Hz~45 kHz (±3 dB)

最大出力電圧

10 Vp-p以上
±5 V 以上

10 Vp-p以上
±5 V 以上

入力換算ノイズ

0.05 pC (rms)以下

0.05 pC (rms)以下

CCLD電源

電圧: 18~36 V
定電流: 2.0~20 mA

電圧: 18~36 V
定電流: 2.0~20 mA

また、CH-6130 の外観を図 1 に示します。CH-6140 の外観は型名以外 CH-6130 と同じです。

  • 図 1 チャージコンバータ CH-6130
    図 1 チャージコンバータ CH-6130

電荷型加速度検出器とチャージコンバータとの組み合わせ

電荷型加速度検出器とチャージコンバータを組み合わせて使用した場合の電圧感度は、加速度検出器の電荷感度: pC/(m/s2)と、チャージコンバータの利得: mV/pC を掛け合わせた値になります。NP-2106 の電荷感度は約 0.035 pC/(m/s2)で CH-6140 の利得は 10 mV/pC ですので、電圧感度はこれらを掛け合わせた 0.35 mV/(m/s2)になります。これは 1 m/s2 の加速度に対して、0.35 mV が出力されることを示します。

電荷型加速度検出器の最大使用加速度は、加速度検出器が正しく動作する最大の加速度で
す。チャージコンバータの最大出力電圧の制限があるため、組み合わせた場合の最大使用加速度は、加速度検出器単体の最大使用加速度よりも小さくなる場合があります。NP-2106と CH-6140 を組み合わせた場合の電圧感度は 0.35 mV/(m/s2)で、CH-6140 の最大出力電圧は±5 V ですので、組み合わせた場合の最大使用加速度は 5 V ÷ ( 0.35 mV/(m/s2) ) = 14,285 m/s2になります。NP-2106 単体の最大使用加速度は 100,000 m/s2 ですが、CH-6140 と組み合わせた場合は 14,285 m/s2 までしか測定できません。これ以上大きな加速度を測定する場合は、CH-6130 やチャージアンプ等と組み合わせる必要があります。

チャージコンバータ CH-6130、CH-6140 の入力換算ノイズは 0.05 pC 以下です。加速度が0であっても、0.05 pC 以下に相当するノイズ信号が出力されてしまいます。NP-2106 の電荷感度は約 0.035 pC/(m/s2)ですので、加速度に換算すると 0.05 pC ÷ (0.035 pC/(m/s2) ) = 1.43m/s2 になります。測定方法や、測定値にどの程度の精度を求めるかにも依存しますが、入力換算ノイズ値(m/s2)の 10 倍や 30 倍の値(14.3~42.9 m/s2)が測定できる加速度の下限値の目安になります。NP-2106 は 100,000 m/s2 まで測定できる衝突・落下試験用の加速度検出器ですので、数百 m/s2 以下の測定には向きません。小さな加速度の測定には、感度が大きな加速度検出器をお使いください。

当社の電荷出力型加速度検出器とチャージコンバータ CH-6130、CH-6140 を組み合わせた場
合の電圧感度、最大使用加速度、入力換算ノイズを表 2、表 3 に示します。CH-6140 と組み
合わせた場合、すべての加速度検出器で単体の最大使用加速度より、組み合わせた場合の最大使用加速度の方が小さくなっています。CH-6130 と組み合わせた場合も、NP-2710、NP-2910、NP-2810、NP-2120 については、組み合わせた場合の最大使用加速度の方が小さくなっています。組み合わせた場合の最大使用加速度よりも大きな加速度を測定する場合には、当社 CH-1200A などのチャージアンプをご使用ください。

表 2 チャージコンバータ CH-6130 と組み合わせた場合の特性

電荷出力型加速度検出器 CH-6130 (1.0 mV/pC)と
組合せた場合の特性
型名 特徴 電荷感度
(typ.)
最大使用
加速度
電圧感度
(typ.)
最大使用
加速度
入力換算
ノイズ
NP-2106 超小型・軽量 0.035 pC/(m/s2) 100,000 m/s2 0.035 mV/(m/s2) 100,000 m/s2 1.43 m/s2
NP-2110 小型・軽量 0.16 pC/(m/s2) 10,000 m/s2 0.16 mV/(m/s2) 10,000 m/s2 0.31 m/s2
NP-2710 小型・高温 0.306 pC/(m/s2) 22,600 m/s2 0.306 mV/(m/s2) 16,339 m/s2 0.16 m/s2
NP-2910 小型・汎用 0.3 pC/(m/s2) 50,000 m/s2 0.3 mV/(m/s2) 16,667 m/s2 0.17 m/s2
NP-2810 小型 1.2 pC/(m/s2) 20,000 m/s2 1.2 mV/(m/s2) 4,166 m/s2 0.042 m/s2
NP-2120 汎用 5 pC/(m/s2) 8000 m/s2 5 mV/(m/s2) 1000 m/s2 0.010 m/s2
NP-2560 軽量 3 軸 0.04 pC/(m/s2) 25,000 m/s2 0.04 mV/(m/s2) 25,000 m/s2 1.25 m/s2

表 3 チャージコンバータ CH-6140 と組み合わせた場合の特性

電荷出力型加速度検出器 CH-6140 (10 mV/pC)と
組合せた場合の特性
型名 特徴 電荷感度
(typ.)
最大使用
加速度
電圧感度
(typ.)
最大使用
加速度
入力換算
ノイズ
NP-2106 超小型・軽量 0.035 pC/(m/s2) 100,000 m/s2 0.035 mV/(m/s2) 14285 m/s2 1.43 m/s2
NP-2110 小型・軽量 0.16 pC/(m/s2) 10,000 m/s2 1.6 mV/(m/s2) 3125 m/s2 0.31 m/s2
NP-2710 小型・高温 0.306 pC/(m/s2) 22,600 m/s2 3.06 mV/(m/s2) 1633 m/s2 0.16 m/s2
NP-2910 小型・汎用 0.3 pC/(m/s2) 50,000 m/s2 3 mV/(m/s2) 1666 m/s2 0.17 m/s2
NP-2810 小型 1.2 pC/(m/s2) 20,000 m/s2 12 mV/(m/s2) 416 m/s2 0.042 m/s2
NP-2120 汎用 5 pC/(m/s2) 8000 m/s2 50 mV/(m/s2 100 m/s2 0.010 m/s2
NP-2560 軽量 3 軸 0.04 pC/(m/s2) 25,000 m/s2 0.04 mV/(m/s2) 12500 m/s2 1.25 m/s2

まとめ

加速度検出器には最大使用加速度が定められており、その値を超えた加速度の測定はできません。電荷出力型加速度検出器とチャージコンバータを組み合わせて使用する場合、チャージコンバータの出力電圧が限られているため、測定できる加速度の最大値が、加速度検出器単体の最大使用加速度より小さくなる場合があります。

今回は、電荷出力型加速度検出器とチャージコンバータを組み合わせた場合の最大使用加速度の値をご紹介しました。あわせて、組み合わせた時の電荷感度や入力換算ノイズの値もご紹介しました。

加速度検出器やチャージコンバータは、測定対象物で発生する加速度の大きさに合わせて選定する必要があります。また、チャージコンバータではなくチャージアンプが必要になる場合もあります。

はじめて測定する対象物では、発生する加速度の大きさは不明です。また、衝突・落下試験等では想像していたよりもはるかに大きな加速度が発生する場合もあります。そういった場合に実際に発生する加速度を実機にてご確認いただくため、当社で、デモ品の貸し出しや製品デモをおこなっています。当社の最寄営業所までご依頼ください。

(2019年2月20日発行メールマガジンより抜粋)