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「波形とFFT-6」6. フーリエ級数・フーリエ変換

6.フーリエ級数・フーリエ変換

(1) フーリエ級数 フーリエ係数

  • (1) フーリエ級数 フーリエ係数

(2)1 周期をT としたフーリエ級数 フーリエ係数

上記(1)のx をx = 2πft = ωt、1 周期2π = T と置き換えて;

  • (2)1 周期をT としたフーリエ級数 フーリエ係数

(3)複素フーリエ級数・複素フーリエ係数

オイラーの公式

  • 複素フーリエ級数・複素フーリエ係数_NO.1

を考慮して(2)は;

  • 複素フーリエ級数・複素フーリエ係数_NO.2

<補足>

  • <補足>_NO.1

一方、f(t) は実関数なので

  • <補足>_NO.2

よって

  • <補足>_NO.3

実関数の複素フーリエ係数はCm、m = 1 ~ M を計算すれば、あとは複素共役Cmをとればよいことになります。
なお、 Cmの実数部と虚数部は、複素フーリエ級数展開することにより、正負の周波数成分にわかれ、フーリエ係数am、bm の1/2となります。

(4)フーリエ変換、フーリエ逆変換

T を無限大に拡大することで、周期性のない波形【非周期関数】でもフーリエ級数に展開できるようにしたものです。
フーリエ係数 Cm を求める式も1 つの関数と考え、これをフーリエ変換といいます。f(t)はフーリエ変換の逆の計算をする関数と考えて、フーリエ逆変換といい、フーリエ変換、フーリエ逆変換を一対の式として考えます。

フーリエ変換

  • フーリエ変換

フーリエ逆変換

  • フーリエ逆変換

実部Re、虚部Imは

  • 実部Re、虚部Imは


(5)離散的フーリエ変換 フーリエ逆変換

実用性を考えると T は有限をとることになります。また、FFT アナライザではAD変換してサンプリングされたデータ列の有限個N をとり、フーリエ変換が実行されます。サンプリングすると【離散的】(連続していない飛び飛びの値)になりますから、T = Nh(h はサンプリング間隔の時間)よりT の代わりにN 個とすると、離散的フーリエ変換、フーリエ逆変換の第k項を考える(周波数はkωになるので)。

  • 離散的フーリエ変換 フーリエ逆変換_NO.1

実部Re、虚部Imは

  • 離散的フーリエ変換 フーリエ逆変換_NO.2

(6)離散的フーリエ級数、フーリエ係数

サンプリングされた離散値でフーリエ係数を求めるには、上記(5)を展開して次式で計算します。フーリエ級数、フーリエ係数と実部、虚部の関係を対比して記します。

<フーリエ級数、フーリエ係数>

  • 離散的フーリエ級数、フーリエ係数_NO.1

第k項のフーリエ係数は;

  • 離散的フーリエ級数、フーリエ係数_NO.2

第 k 項のフーリエ変換をフーリエ係数an、bn に一致するように2/N で考えると;

  • 離散的フーリエ級数、フーリエ係数_NO.3

第 k 項のフーリエ係数の式またはRe [ F (kω) ]、Im [F (kω)]の式を使うと表計算ソフトで計算することができます。
ω = 2πfo のfo は1周期T の逆数です。T = Nh、N はサンプル数、h はサンプル時間間隔ですから、h が一定ならN は周波数分解能fo に関係します。

(7)フーリエ係数の計算例

前回で 10Hz と20Hz のcos を合成した;

  • フーリエ係数の計算例_NO.1

のサンプルデータを作ってみました。
f (t)の式から時系列データを作り、f (t)の10Hz のフーリエ係数の計算をするにあたり、次のような数値を代入し計算してみましょう。

  • サンプル周波数1000Hz、
  • サンプル時間h = 1/1000 (s)、
  • サンプル数N = 2048
  • t = nh
  • n = 0、1、2、・・・2047

として

n、nh、f (nh)、cos (20πnh)、sin (20πnh)、f (nh) cos (20πnh)、f (nh) sin (20πnh)を順に A ~ G 列で計算します。
そして;

  • フーリエ係数の計算例_NO.2
  • フーリエ係数の計算例_NO.3

にて 10Hz のスペクトルa、b をN = 500(n = 0 ~ 499)とN = 2048(n = 0 ~ 2047)
の場合を求めると;

    N = 500(Nh = 0.5s)の場合 a = 0.866 b = -0.500
    N = 2048(Nh = 2.048s)の場合 a = 0.853 b = -0.508

Microsoft-EXCEL での計算の様子

  • フーリエ係数の計算例_NO.4

f (t)の式から10Hz のスペクトルは;

  a = cos 30 deg = 0.866  b = sin 30 deg = 0.5

であることがわかっていますから、N = 500 のときは一致しますが、N = 2048 では少し差があります。これはフーリエ級数の仮定である「周期性」によります。

N = 500(n = 0 ~ 499 間で0.5 s 間)の場合は10Hz のちょうど5 周期分になりますが、N = 2048 では10Hz の整数倍になっていません。

次図 A のようにちょうど1 周期(またはその整数倍)になるようにN をとると、同じ波形が連続で続いて描くことができますが、1周期(又はその整数倍)とならないN では不連続になります(図B)。
不連続点があると、その中間点をとることで連続となりますから、中間点で滑らかに繋がった波形として近似計算がおこなわれます。

  • 観測波形_NO.1

さて、10Hz のフーリエ係数;
   a = 0.866   b = -0.5

より、

  • 観測波形_NO.2

となります。さらに、この式は又、Re = 0.866、Im = -b = 0.5 より;

  • 観測波形_NO.3


であることがわかります。

同様に、他の周波数成分を求めると、観測波形 f (t)は;

  • 観測波形_NO.4

となります。
これが、FFT アナライザの概念です。

(2007年5月24日発行メールマガジンより抜粋)