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デジタル信号処理の基礎 - 1 「信号と波形」

自動車、生産機械、事務機器、家電製品などの機械が稼働している時、音、振動、熱、圧力、光などの物理量をとらえることができ、その稼働状態を把握することができます。すなわちそれらの物理量が機械稼働状態という情報を含んでいることになります。このような情報を含む物理量を一般に「信号」と呼びます。機械から得られる信号を何らかの処理をすることにより、稼働状態を確認や診断することができます。

最近のコンピュータ技術の普及により、デジタルでの信号処理が簡単に可能となっています。デジタル信号処理のメリットは、信号処理自体が高精度でかつ大量のデータを高速で処理出来るだけでなく、処理結果のレポート作成、再利用、情報伝達などが非常に簡単にできることにあります。

機械から得られる物理信号は、一般に時間とともに変化します。すなわち横軸を時間にとって、信号の変化を記録していくと波のように表されます。これを信号の「波形」と呼び、特に横軸が時間ですから時間軸波形または時間軸信号と呼ばれます。

さて、その信号の種類としては、いろいろな分類の方法がありますが、その現れ方や性質などから、周期信号、過渡信号、不規則(ランダム)信号の大きく3種類に分けることができます。
周期信号と過渡信号は、確定的信号とも言われ、どの時点でも現在の値やその後の変化が確定できる信号(数式で表現できる信号)です。それに対して、ランダム信号は、ある時点で値が分かってもその後が全く予測できない(確定的でない)ような信号です。平たく言えば、「でたらめな」「無秩序な」信号です。

持続性という観点から見ると、過渡信号は、ある現象が単発的に発生して有限な信号ですが、周期信号とランダム信号は、時間的には、無限に信号が持続します。周期信号は、一定の繰り返し時間(すなわち周期)で無限に波形が続きますが、ランダム信号は、全くでたらめな波形が無限に現れてきます。

機械から検出される物理信号は、一般にこの3種類の信号の合成された信号として出てきますが、回転機械の場合は、回転数に同期した周期信号が大きく出現する傾向があります。

(2002年10月21日発行メールマガジンより抜粋)