信号の「波形」は波の図形的表示で、時間の関係として物理量を表示したものです。周期的な波でその量が時間に関して正弦状に変化する波を「正弦波」、定常状態から振幅が遷移(こう配が規定の値だけ変化する)し有限時間だけ持続してもとの状態にもどる波形を「パルス」、特にパルスが矩形で周期的に繰返されるパルス列を「方形波」、変化が急峻で持続時間が短いパルスを「インパルス」といいます。
計測器では波形は電圧信号で入力され、一般的に「基準レベル」は0Vにとって波形の振幅が表示されます。
正弦波(交流波形)
Vp:ピーク値
Vpp:ピークピーク値
Vr:実効値 = Vp / √2
T:繰り返し周期(s)
f:繰り返し周波数 = 1 / T(Hz)
パルス
交流波形の大きさは、規定された時間内における波形の正または負の最大値を「ピーク値」、正ピーク値と負ピーク値の差をとって「ピークピーク値」、交流の瞬時値の絶対値を1周期について平均した値「平均値」、同一抵抗に消費する電力が同じになる直流の値で表示した「実効値」、で表されます。
正弦波ではピーク値Vp、実効値Vr、ピークピーク値Vppは次の関係があります。
Vr=√2Vp (√2 :2の平方根を示す)
Vpp=2Vp
交流波形
<平均値>
交流の瞬時値の絶対値を1周期について平均した値で、交流の瞬時値を a (t) とすると、その平均値は下記式で求められます。
1/𝑇 ∫129_0^𝑇▒|𝛼(𝑡)|ⅆ𝑡
ここで、T は交流の周期です。
<実効値>
同一抵抗に消費する電力が同じになる直流の値で表した交流の大きさで、この値は交流の瞬時値の2乗を1周期について平均した値の平方根に等しくなります。交流の瞬時値をとすると、その実効値は下記式で求められます。
ここで、T は交流の周期です。
また、注目する現象が現れる点を表現するため、時間の流れを表す時間軸上の1点を示す「時点」、ある現象の始まりから終わりまでの時間「持続時間」、繰返し波形の1サイクル分の時間「(繰返し)周期」(「繰返し時間」)、この逆数をとって「(繰返し)周波数」、ある時点からの「遅れ時間」、周期時間を電気角360度とし遅れ時間を電気角で表現した「位相」で表されます。
方形波ではその大きさを、定常状態を「ベースライン」(ローレベル)、遷移した幅を「パルス振幅」(ハイレベル)、パルスの持続時間を「パルス幅」、パルス列における繰返し周波数を「パルス繰返し周波数」、パルス幅が1周期に占める比率を「パルス占有率」、またはローレベルとハイレベルの比「デューティー比」で表します。
ある波形のベースラインが基準レベルと異なっているとき、その波形はオフセットしているといい、その大きさは基準レベルに対するベースラインの振幅で表します。
方形波
パルス信号の伝送の状況により遷移の直前でそれと逆向きに振れる形で生じるひずみ「プレシュート」や、パルス幅に比べて十分短いパルス状のひずみ「スパイク」、減衰的に振動するひずみ「リンギング」、水平であるべきハイレベル、ローレベルが傾斜するひずみ「チルト」などが生じることがあります。
歪みを含んだ波形
さて、回転計などパルスカウンター計測器では、信号入力部でひずんだ波形をきれいな波形に波形整形する機能を持った回路を有します。
通常はパルスに変換され、これは入力の大きさにより、二つの異なる状態ハイレベル、ローレベルに変換することとなり、そのハイレベル、ローレベルの境界となる入力電圧を「しきい値」(スレショルドともいう)といいます。
AC結合回路では一般的にしきい値は0Vになります(ゼロクロス)。
DC結合ではレベル(トリガーレベルともいう)と称するボリュームでしきい値の設定を可変できるようにしたものがあります。信号の振幅が小さすぎると動作できない不感帯があります。
カタログなどの仕様には動作可能な信号波形の種類、振幅、周波数範囲などが記載されています。計測器に合った信号を入力しましょう。
(2002年8月23日発行メールマガジンより抜粋)